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大学生の読書レポート|短時間で高評価を得るための「書き方」と「例文」を詳しく解説する

読書レポート 書き方

読書レポートなんて、慣れれば誰でも簡単に書けます。

高校生や、大学1,2年生は思い悩むものの、大学3,4年にもなれば1時間ちょっとで簡単に書いてしまう。それは決して「文章力」なんて曖昧なものではなく、書き続ける内に評価を得られるコツを掴むからです。

今回は、読書レポートの簡単な書き方を解説します。

正直、この記事自体は文字数も多くて、読むのに10分くらいかかってしまう。ただ、今10分使えば、これから先の人生で読書レポートに思い悩むことはなくなります。

また、人気漫画の「ワンピース」を課題図書と仮定した読書レポートを3本掲載しているため、そちらも参考にしてください。

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読書レポートの基本的な書き方

読書レポートも、書き方の基本は通常レポートと同じです。

つまり、大切なのは3つのポイント。

誤解を恐れずに言えば、学部生のレポートを真面目に評価する教員は非常に稀です。研究室や院生のレポートならまだしも、一般教養の講義ならば機械的に評価をしている教員の方が圧倒的に多い。

そのため、次の3つのポイントさえ抑えれば、比較的簡単に高評価を得ることが出来ます。

  1. 見た目を整える
  2. お題を狭く深く設定する
  3. 基本の文章構成を覚える

レポートの書き方|大学生が1時間で90点以上を取るための3つのポイント

では、改めて3つのポイントを読書レポートに当てはめて解説します。

見た目を整える

レポートに限らず、提出物の見た目を整えることは非常に大切です。

教員も人間なのです。しわくちゃで汚れたレポートなんて評価する気にもなりませんし、ビシッと整ったレポートはそれだけで好感度が高まる。

過度に気にする必要はありませんが、

  • 表紙を付ける
  • ホチキスで左上を固定
  • シワや汚れを付けない
  • 参考文献を書く

このあたりは最低限守りましょう。

お題を「狭く深く」設定する

200ページ以上の本を全てレポートにするのは大変です。

もちろん、書けるなら構わないのですが、基本的にはどこかの一部分を深く掘り下げた方が良い。

人気漫画の「ワンピース」で例えるなら、

  • ルフィの海賊王としての器
  • 作中における「海賊」の扱い
  • 作者が読者に伝えたいこと

このように、どれか1つで良いのです。

一部分を深く掘り下げることによって、他人と被らない唯一無二の読書レポートが完成します。ついでに言うと、一部分を深く掘り下げることで課題図書を全部読まなくても済むのです。

基本の文章構成を覚える

レポートの基本は「序論」「本論」「結論」の三段構成です。

読書レポートも例外ではありません。基本はこの構成に沿って書くのが無難です。

【序論】
問題提起。何が気になったか。なぜ、この本を読んだのか。

【本論】
自分の主張。実際のデータや、自分の考えを述べる。

【結論】
序論+本論を改めてまとめる。今後の課題や注目ポイント。

また、題材となる書籍が自由で、担当教員が内容を知らない可能性がある場合は「序論」を「本の要約」に置き換えるのがベター。

ただ、基本的には課題図書を1冊、或いは数冊提示されると思いますので、その際は要約を書く必要はありません。字数稼ぎと思われる可能性が高い。

実際の読書レポートの例

読書レポートは自由度の高いレポートです。

読書感想文っぽくなっても良いし、現実問題と絡めたレポートらしい内容でも良い。どんなモノを求めているかは、担当教員によって大きく異なるのです。

とは言え、ゼミや院生のレポートでもない限り、読書レポートは「何でも良い」が原則です。

人気漫画の「ワンピース」を例に出して、いくつか読書レポートを書いてみましょう。

読書感想文形式の読書レポート

最も書きやすいのが「読書感想文形式」です。

ちまたのウェブメディアでは素人ライターが「読書レポートと読書感想文は違う!!」みたいに書いていますが、私の知る限り、大学課題の読書レポートは感想文に近くても問題ありません。

通常のレポートとは違い、読書レポートは書籍への主観を語る(≒感想文)が基本なのです。

もちろん、担当教員が形式を指定したのならば注意が必要ですが、基本はこの形で大丈夫です。

【タイトル】
ルフィの海賊王としての器について

【序論】
主人公ルフィはバカだと思われがちだ。大海原に小舟一隻で出かけ、敵大軍の中に一人飛び込んで行く。作中で何度も仲間からは戒められれ、敵からはあきれられる。しかし、本当にそうだろうか。ルフィは一見、何も考えていない軽薄な人間に見えるが、随所に優れた判断力と思慮深い一面が見られる。その判断力こそ、ルフィが海賊王になり得る器を持ち、作中作外で多くの人に支持される理由の1つだ。

【本論】
まずは第7話、少年コビーとの別れに注目したい。海賊との関わりを疑われた友人コビーに対して、ルフィは躊躇なく袂を分かつための言葉を浴びせ暴力をふるった。乱闘の末にコビーはボロボロになるものの、嫌疑は晴れて無事海軍に入隊。ルフィは別れの言葉もなく、その場をあとにする。また、第15話では、決死の特攻寸前の町長を後ろから殴打して気絶させる。第22話では、ガイモンが20年守り続けた宝がカラだとバレぬように盗もうとする。ルフィの行動はいつも突発的で周囲を驚かせるが、長期的な視点で見ればプラスの方向に働くことが多い。
この点に関して、第425話で仲間の1人チョッパーが興味深い発言をしている。「ルフィは始めから 自分が戦わなきゃいけない相手を 分かってるみたいだ」つまり、ルフィはいかなる状況であっても直感力を頼りにベストな判断を行えるのだ。直感は非論理的だと思われがちだが、近年は脳科学の分野からも直感のメリットは見直され始めている。人間が感じる直感は、経験や知識から思考過程を除いて感じる力であり、決して根拠がない訳ではない。そのため、物事を捉えた直後に感じた解は正しいことが多いのだ。しかし、大半の人間は、信じるに値する論理がないと行動できず、ずるずると機を逃してしまう。
ところが、ルフィは違う。決して立ち止まることなく、一瞬の判断で迷わず行動することができる。凡人に持つことは出来ない圧倒的な直感力こそ、ルフィが海賊王になり得る器の証明なのだ。

【結論】
ルフィの海賊王としての器は、優れた直感力にあると言える。そして、直感力の正しさを仲間たちも認めている。ルフィの仲間には論理的なキャラクターが多数存在するが、彼らも最終判断は必ずルフィに投げかけるのだ。また、作中では直感力に関連する能力として「覇気」が存在するが、ルフィの性質としての直感力と覇気は別のものだと考えられる。今回、覇気に関しては充分に論じることが出来なかったので、今後の課題としたい。

【参考文献】
「直感力」
メンタリストDaiGo リベラル社 2017/3/20

読書感想文です。

ただ、感想文形式と言えど、1つくらい参考文献が欲しいので最近読んだ本の内容と結びつけました。

また、

「直感力って、覇気じゃないの?」

という反論への対策として、文末で少し触れています。こう書くことによって、意図的に触れなかったような印象を与えることが出来ます。「◯◯について書き忘れた!」なんて場合にもオススメです。

現実問題に絡める読書レポート

読書レポートっぽい内容になるのが「データや歴史に絡める」です。

ワンピースで言えば、

【海賊の扱い】
主人公は海賊だが、あまり悪いことはしていない。現実の海賊は8世紀頃より登場しており、現代でも問題になっている。

【魚人への差別】
作中の強敵として「魚人アーロン」が登場するが、元々は人間の魚人への差別が発端となっている。現実においても「身分」「人種」「出自」などあらゆる側面からの差別が世界中で問題になっている。

などが挙げられます。

課題図書以外にも、様々な文献を読み込む必要があるため手間はかかりますが、評価は得やすい形式です。せっかくなので「序論」に「要約」を混ぜてみます。

【タイトル】
ワンピースにおける「海賊」と現実世界における「海賊」の違い

【序論(要約)】
ワンピースは、主人公のルフィが海賊界のトップ「海賊王」を目指す物語である。物語当初はルフィ一人、小舟一隻で冒険に出かけたが、最新話では作中通貨で懸賞金15億ベリー、メイン船に10人、傘下に5000人もの部下を持つ大海賊団のボスとなっている。ここで注目したいのは作中における「海賊」の扱いである。ルフィは海賊を自称しているが、作中において悪事を働いている描写はほとんどない。むしろ、メインストーリーにおいては人助けをしていることがほとんどだ。果たして、これは「海賊」と呼べるのだろうか。今回は作中世界における「海賊」と、現実世界における「海賊」の違いに注目したい。

【本論】
現実世界における海賊は「船舶や沿岸を襲撃することによって金品を得る盗賊」を指す。有史においては人類の海への進出と同時に登場しており、アリストテレス(紀元前384年〜紀元前322年)の著書でも解説されるように、歴史は古い。そして、一部の例外の除き、どの時代においても海賊は「国家の敵」「人民の敵」であった。例えば、ローマ帝国においては、ローマ帝国海軍が海賊根絶の一翼を担った。日本国内においても、織田、豊臣、徳川各政権は海賊の取り締まりを重視し、これによって中世から近世の扉が開かれたと言っても過言ではない。民間の財を強奪し、秩序を乱す海賊の存在を放置しては国家が成り立たなかったからだ。
一方、ルフィは現実世界の定義に当てはまらない。作中において、民間人への略奪や暴行は行っていないのだ。海賊との戦闘行為はあるものの、それらは合法活動である賞金稼ぎと何ら変わりない。ところが、汚職にまみれた海軍大佐への暴行をきっかけにルフィは海軍の取り締まり対象に入る。以降、幾度となく海軍、および海軍上層部の世界政府との衝突を繰り返すが、いずれもきっかけは海軍側にある。つまり、根本的にルフィは海賊の要件を満たしておらず、言うなれば「海軍に逆らった冒険家」なのだ。作中のポジションで言えば「革命軍」に近い。ところが、ルフィは海賊を自称し、海軍が公認した結果として「海賊」になっている。これが現実世界と作中世界の海賊観の違いと言えるだろう。

【結論】
現実世界における海賊は行為から始まり、ワンピースの世界における海賊は認識から始まる。これは非常に危険な相違だ。つまり、ワンピースの世界においては海軍、および上部組織の世界政府が「悪」だと認識すれば善も悪になってしまう。善悪の是非を決める世界政府が物語のキーマンになるのは間違いなく、今後も注目していきたい。

【参考文献】
「海賊の歴史」
フィリップ・ジャカン 創元社 2003/12/01

「漫画『ONE PIECE』における海賊の定義について」
https://hpsuke.exblog.jp/11188146/ 2009/05/30

今度は随分レポートっぽい内容になりました。

また、参考文献はウェブサイトでも構わないのですが「個人運営のウェブサイトだけ」はあまり良い印象を持ちません。可能であれば公的なサイトや、書籍を掲載しておきましょう。

筆者の意図を読み取る読書レポート

もう1つ、レポートっぽい内容で攻める方向として「筆者の意図を汲み取る」があります。

この形式の利点は「明確な正解が存在しないため、ある程度好き放題書けること」です。とは言え、非論理的な内容や、明らかに意図と異なる内容では評価を得ることは出来ません。具体的に言えば、

【OK例】

「ルフィが海賊王を目指す過程を描くことで、少年へ夢に向かうことの大切さを説いている」

【NG例】

「ルフィが海賊王を目指す過程を描くことで、少年へ略奪行為の素晴らしさを説いている」

こんなイメージです。

また、基本的には講義の内容に寄せた方が高評価は得られやすい。反対意見を書くのが悪い訳ではありませんが、丁寧に書かないと、

「こいつ、講義の内容全然聞いてねぇな…」

とマイナス評価を付けられがちです。

【タイトル】
ワンピースに込められた少年へのメッセージとは

【序論】
漫画に限らず、あらゆる作品には作者のメッセージが込められている可能性が高く、ワンピースも例外ではない。作者の尾田栄一郎氏はすでに20年以上週刊連載を続けていて推定年収は31億円、推定資産は100億円を超えている。にも関わらず、いまだに睡眠時間を3時間まで削り、過酷な執筆環境に身を置いているは有名な話だ。尾田栄一郎氏をそこまで駆り立てる意思は何か。それこそ、ワンピースに込められたメッセージではないだろうか。

【本論】
漫画という媒体の性質上、メッセージはある程度分かりやすい形で表現されていると考えるのが自然だ。例えば、主人公の言動、作中での正義のあり方、冒険の目的、そういった部分に作者のメッセージは反映されやすい。また、尾田栄一郎氏は、たびたび「ワンピースは少年のもの」とインタビューで答えている。現在の少年漫画は少年だけでなく成人も読んでいることが多いが、それでも「少年のもの」だとあえて強調しているのだ。この点から、ワンピースのメッセージはルフィの行動から少年に向けて描かれていると推測できる。では、ルフィの最もシンプルな行動原理は何か。
それは夢を語り、夢に向かって真っ直ぐ突き進むことだ。第一話の最終コマでは「海賊王に俺はなる!!」と高らかに宣言し、以降、どんな場面においても「俺は海賊王になる男だ!!」と意思を決して曲げず、あらゆる逆境をはねのけている。そんなルフィに仲間はどんどん集まっていき、あらゆるキャラクターがルフィの夢の実現を信じている。
これは、現代日本への風刺だと考えられる。日本は出る杭は打たれる文化であり、夢を語るのはダサいと揶揄されがちだ。しかし、そんな風潮を持つ日本の未来が明るい訳がない。そんな日本に向けて、夢を持ち、夢に向かって行動することの楽しさ、そして、ハッピーエンドへの結末を尾田栄一郎氏は訴えているのではないだろうか。

【結論】
ワンピースは、少年へ夢を持つことの素晴らしさを教えてくれている。また、ラスボス候補の「黒ひげ」も「人の夢は!!!終わらねえ!!!」と興味深い言葉を残しており、作品のテーマに夢が存在することは間違いない。ワンピースの物語はまだまだ続いていくが、今後は登場人物の夢とその実現から目が離せなさそうだ。

【参考文献】
「ONE PIECE BLUE DEEP」
尾田栄一郎 集英社 2012/03/12

「尾田栄一郎氏の年収を詳しく解説」
https://heikinnenshu.jp/creative/oda.html 掲載日記載なし

受験国語と同じで、実際に作者がどう考えているかは重要ではありません。

充分に収入を得ている

それでも書き続けるのは目的があるから

少年向けをテーマに掲げている

少年に何か伝えたい

ルフィの行動に表れている

ルフィの行動原理は何か

夢へ向かうこと

と、最終ポイントに向かって論理破綻せずに繋がっていることが評価のポイントになります。そのため、最終ポイントは、

  • 仲間の素晴らしさ
  • 自由に生きること
  • チャレンジする精神

以上にように、何でも良いのです。

まとめ

読書レポートは比較的自由な課題ですが、

  • 見た目を整える
  • お題を「狭く深く」設定する
  • 基本の文章構成を覚える

上記3つの基本を覚えておくことで、簡単に執筆することが出来ます。

また、今回紹介したレポートは、あくまでも、

「読書レポートに悩む人への、1つの正解の提示」

です。これだけが正しい訳ではないので、すでに書ける人がこの内容に寄せる必要はありません。誤解のなきようお願いします。

この記事は大学生の単位の取り方講座【第4回】です。

他の講座をご覧になりたい方は以下からどうぞ。

【第1回】
卒業単位はいつまでに取るべきか

【第2回】
講義の感想の書き方

【第3回】
大学生の基本的なレポートの書き方

【第4回】(今のページ)
読書レポートの書き方

【第5回】
集中して勉強する方法

【第6回】
大学生の作業用BGMまとめ

【第7回】
持ち込み可の試験のコツ

【第8回】
論述試験のコツ

【第9回】
大学生のカンニング方法

-単位の取り方