
クレジットカード会社によって多少の違いはありますが、学生クレカの審査にも「プラスの要素」と「マイナスの要素」が存在します。
「マイナスの要素」が共通しているのならば、お友達に「プラスの要素」があったと考えるのが自然です。
また、人気の「JCBカードW」の審査に落ちる学生は一定数います。クレジットカード会社は審査落ちの理由を公開してくれないため、釈然としない学生も少なくありません。
そこで今回は学生クレジットカードの審査について解説します。
また、クレジットカードの審査基準は銀行を含めた各種ローンにも通じるため、将来のために覚えておいて損はありません。
学生クレジットカードの審査基準
基本的に、学生は「学生という身分だけ」でクレジットカードを作ることが可能です。
バイトをしていなくても、有名大学に所属していなくても関係ありません。
- 大学生
- 大学院生
- 専門学生
その身分だけで、あらゆる学生クレジットカードを作ることができるのです。
ただし、学生クレジットカードの中にもランクが存在し、上位ランクのカードはマイナスの審査基準に触れる学生を嫌います。
【ランク上位】
JCBカードWなど
【ランク中位】
エポスカード、セゾンブルー ・アメリカン・エキスプレス・カードなど
【ランク下位】
学生専用ライフカード、楽天カードなど
それでは、「マイナスの審査基準」と「プラスの審査基準」を紹介します。
マイナスの審査基準

マイナスの審査基準を持っている学生は、一部のクレジットカードを作ることが出来ません。
学生が引っかかるマイナス基準は、
- 借金の有無
- 携帯料金の滞納
- 所有クレカの枚数
の3つです。
それでは、1つずつ詳しく解説します。
借金の有無

最も致命的なのは「借金」です。
そもそも、クレジットカードや消費者金融は大学生への与信を10万円〜30万円ほどに設定しています。
【与信とは】
相手の信用度合い。
「普通の大学生ならば10万円前後は返せるだろう」と考えるならば、クレカの限度額や借金の上限を10万円に設定する。
ところが、現在進行系で消費者金融から30万円借りているのならば、その学生の与信枠は残されていません。
そのため、一定額以上の借金のある学生はクレジットカードの審査に通ることが出来ないのです。
また、完済している場合は何の問題もありませんので、ご心配なく。
携帯料金の滞納

現在、携帯料金を滞納すると「指定信用情報機関(CIC)」に記録されてしまいます。
【指定信用情報機関(CIC)とは】
個人のクレジットやローン利用に関する信用情報の収集・管理・提供・開示を行う機関。
「借金」や「後払い」のあらゆる情報が保存され、問題がある人物は与信枠が減らされる。
携帯料金そのものはローン契約ではありませんが、携帯料金の内訳にはスマホ本体代が分割で入っていることがほとんど。
そして、スマホの分割支払いはローン扱いです。
そのため、携帯料金を滞納してしまうと、必然的に「ローンの支払いが遅れた」という記録がCICに記録されます。与信枠が大きい社会人ならそこまで問題ではないのですが、元々の与信枠が小さい大学生には大ダメージです。
ちなみに、与信の考え方は、
- 支払いに遅れたことがない
- 借金、クレジットの利用履歴がない
- 支払いに遅れたことがある
この順番です。
「借金をしたことがない人」より「借金をしっかり返した人」の方が信用度が高いのです。覚えておきましょう。
所有クレカの枚数

学生クレカの審査は4枚目から急に厳しくなります。
繰り返しになりますが、企業は学生の与信枠を10万円〜30万円ほどに設定しているのです。そのため、限度額10万円のカードならば3枚が限度。
審査が厳しい学生カードならば3枚まで。
審査が緩い学生カードでも精々5枚までです。
そのため、人気の「JCBカードW」などは3枚目までに申し込むのがベターと言えます。
プラスの審査基準

学生カードの審査にもプラスの要素となる審査基準が存在します。
クレジットカード会社に依ってどれを重視するかは異なりますが、代表的なものは、
- 年収
- 住所
- 固定電話の有無
- 系列サービスの利用
- クレジットの利用履歴
この5項目。先ほどのマイナス基準に触れていても、プラス基準によってはマイナスを打ち消すことも可能です。
1つずつ見ていきましょう。
年収

年収は、高ければ高い方が良い。
尤も、学生カードはバイトをしていない年収0円でも作ることが可能です。そのため、収入がなかったらマイナス要素な訳ではなく、収入があればプラスのイメージになります。
年収0円=プラマイゼロ
年収100万円=ややプラス
年収300万円=プラス
ただ、年収300万円の学生なんてほとんど存在しませんし、アルバイトの年収なんて大抵フリーター以下。
そのため、学生カードにおける年収のプラス要素なんて微々たるものです。
住所

1人暮らしより実家の方がプラス要素です。
細かく解説すると小難しい話になるのですが、単純に言えば、
- 実家(持ち家)は資産
- 同居なら親に支払い能力がある
- 賃貸だと逃げられる可能性がる
などの要素によって、実家住みの学生の方がクレジットカードを発行しやすくなります。
固定電話の有無

固定電話があるとプラス要素です。
実家の件とほぼイコールになりますが、「実家」も「固定電話」も確実にその場所に存在する証拠な訳です。
もちろん、なくても契約はできますが、固定電話があるとほんのりプラス要素になります。ちなみに、「1人暮らしなのに実家の固定電話を記載する」は規約違反ですので、お気をつけください。
系列サービスの利用度合い

グループ会社の個人情報は共有されます。
極論を言えば、楽天カードを作る人間が、楽天銀行の預金口座に1億円入れているなら間違いなく審査に通る。
当たり前の話です。
クレジットやローンの利用履歴がある

クレジットカードは、使えば使うほど信用力が上がっていきます。
先ほども少し登場しましたが、日本におけるクレジットやローンの返済履歴は全て指定信用情報機関(CIC)に保存されています。
そして、信用力というものは、
- 支払いに遅れたことがない
- 借金、クレジットの利用履歴がない
- 支払いに遅れたことがある
この順番で評価されるのです。そのため、真っ当にクレジットカードを利用してきた学生はプラス要素が付きます。
審査に落ちたときはどうすれば良いか
「審査に落ちたクレジットカードを手にいれるには、どうすれば良いか」
質問をくれた学生はそう言っていましたが、基本的には無理です。
これまでに解説したマイナス要素とプラス要素を見て頂ければ分かるように、マイナス要素を消すこともプラス要素を加えることも難しい。
どうしても「JCBカードW」が欲しいのであれば、卒業してから「社会人」という肩書きを持って申請した方が早いのです。
ただ、単純に「クレジットカードが欲しい」ならば、
- ランク下位のクレカを作る
- 両親の家族カードを作る
- デビットカードを作る
この3つが挙げられます。
1つずつ見ていきましょう。
ランク下位のクレジットカードを作る

JCBカードWは、学生クレカの中では審査が厳しいカードです。
と言うのも、JCBカードは上位に「JCBカード プラチナ」と言うエグゼクティブ向けのステータスカードが存在します。そのため、学生向けカードも「将来のエグゼクティブ顧客」を想定し、厳しめの審査基準を設定しているのです。

反対に、上位にステータスカードが存在しないクレジットカードは、フリーターや主婦に向けて間口が非常に広い。
そういったカードの代表格としては、
- 楽天カード
- 学生専用ライフカード
の2枚が有名です。
この2枚に関しては、後の項目で詳しく解説します。
両親の家族カードを作る

クレジットカードには、家族カードという付帯カードが存在します。
分かりやすく言えば、ご両親にあなた専用のカードを発行してもらうのです。名義はご両親、支払いもご両親ですが、家族であるあなたは自由にクレジットカードを利用することができます。
ただ、利用内容は全て両親にバレますし、あなたの信用情報を積み重ねることも出来ません。
ご両親と相談の上、決めてください。
デビットカードを作る

デビットカードなら、銀行に口座があれば誰でも作ることが出来ます。
【デビットカードとは】
銀行口座に紐付けされる即時引き落としのカード。
VISAデビットならVISAクレジットと同じように、JCBデビットならJCBクレジットと同じように使える。
最近は、よくCMされていますね。
ただ、あなたの銀行口座がデビットカードに対応しているかがポイント。
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
などのメガバンクならば問題ありませんが、地方銀行や信用金庫では対応していないことも多い。興味がある方は、お持ちの口座窓口に問い合わせてください。
作りやすい学生クレジットカード
ここからは、学生向けクレジットカードの中でも比較的作りやすいカードを解説します。
代表的なカードは「ランク下位」に位置する次の2枚。
- 楽天カード
- 学生専用ライフカード
この2枚はそれぞれが独自のメリットを持っているクレジットカードです。
それでは、1枚ずつ解説します。
楽天カード

【楽天カードのメリット】
- 年会費無料
- ポイントが貯まりやすい
- 楽天サービスで優遇
ランク下位のカードの中で、圧倒的な知名度を誇っているのが『楽天カード』です。

楽天カードは「貯まりやすいポイント制度」を提供しているのがポイント。
基本の還元率1.0%は、学生向けクレジットカードの中でも1位タイ。加えて、「楽天関連サービスでの優待」や「提携店舗でのポイント優待」などが適用されるため、全ての学生向けクレジットカードの中で最もポイントが貯まりやすいと言っても過言ではありません。
学生専用ライフカード
【学生専用ライフカードのメリット】
- 年会費無料
- 海外旅行サポートサービス
ランク下位でありながら「海外旅行サポートサービス」を提供しているのが『学生専用ライフカード』です。

クレジットカードの一部には「海外旅行傷害保険」や「海外デスクサポート」などの海外旅行のためのサポートサービスが付帯しています。
本来は、ゴールドカードを中心とした上位カードのみのサービスですが、学生専用ライフカードは在学中限定でこれらのサービスをしっかりカバーしているのです。
【海外旅行傷害保険とは】
海外旅行中の医療費を保障するサービス。
保険が適用されない海外では、簡単な診療だけでも莫大な金額がかかる。そのため、日本の海外旅行者の多くは万が一に備えて、何らかの保険に加入している。
【海外デスクサポートとは】
海外旅行中に日本語窓口で相談できるサービス。
ケガやトラブルに巻き込まれたとき、指定の電話番号にかければ日本語で対応してくれる。海外旅行必須のサポート。
ただ、繰り返しになりますが、海外旅行サービスは「在学中限定」のサポートです。
卒業後は「海外旅行傷害保険」も「海外デスクサポート」も失われてしまう。そのため、卒業後も海外旅行サービスを求めるのであれば、新たなクレジットカードを発行する必要があります。
まとめ
学生向けクレジットカードの審査は、
【マイナスの審査基準】
- 借金の有無
- 携帯料金の滞納
- クレカの所有枚数
【プラスの審査基準】
- 年収
- 住所
- 固定電話の有無
- 系列サービスの利用
- クレジットの利用履歴
以上が基準になります。
ただ、繰り返しになりますが、学生は「学生という身分だけ」でクレジットカードを作ることが可能です。
そのため、上記の審査基準における「プラマイゼロの状態」でも、ランク上位の学生カードである「JCBカードW(公式サイト)」を作ることもできます。
これからクレジットカードを作る学生の方は、過度に考えすぎずに、
「欲しいクレカを申請する。無理なら、それから考える」
を基本に行動してください。
この記事は大学生のクレジットカード講座の【第3回】です。
他のページをご覧になりたい方は、以下からどうぞ。
【第1回】
クレジットカードを持つべき理由
【第2回】
クレジットカードの作り方
【第3回】(今のページ)
クレジットカードの審査基準
【第4回】
クレジットカードの危険性と安全性
【第5回】
はじめてのクレジットカードの使い方
【第6回】
クレジットカード5枚の比較
【第7回】
王道のJCBカードW