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就活を行う意味|大人が「絶対に新卒で就活しろよ」と言う本当の理由とは。

就活 意味

「しっかり勉強して、良い大学に入って良い企業に入りなさい」

「就活の準備は進めているのか?絶対に新卒で就職するんだぞ」

就活を目前に控えた3年生にもなれば、こんな言葉をどこかで聞かされているはず。

日本の採用慣習は世界でも稀な形です。

毎年就活の時期になればニュースで大々的に取り上げ、みんなが同じような格好をし、数百人は就活が原因で心を病む。みんなが就活を"嫌なもの"だと認識している。

それなのに、大人たちはみんな「絶対に新卒就活をしろ」と言うのです。

そして、学生たちは叫ぶ。

「なんで卒業したらすぐに就職しなきゃいけないんだ!」

「レールに乗った考えばかり押し付けるな!」

いやいや、決して適当な考えで言っている訳ではないのです。

ただ、大人は理解しているだけ。

現代の日本において、新卒で就活をしないと絶対に損だということに。

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【1】仕事は人生の流れを決める

まず、覚えておかなければいけないのは「仕事は人生の流れを決める」ということ。

これはもう紛れも無い事実です。

理由は非常にシンプル、人生における大多数の時間は仕事だから。

普通に働いていれば最低1日8時間。業種や残業等によって10時間。通勤時間や勤務外勉強などを含めれば12時間。

1日10時間近くの時間をかけるのです。これから先40年、ずっと。

生きるために必要なお金は労働の対価として支払われ、周りにいる人間は職場が中心になる。

人生は、仕事が楽しければ天国ですが、仕事が苦痛ならば地獄なんです。

【2】仕事の内容は会社が決める

会社 上司

どんな仕事をするのか、どんな環境で仕事をするのか。或いは、仕事の対価として何を得られるのか。

それらを決めるのは会社です。

そして、世の中に存在する会社には、明確に優劣が存在します。

  • 賃金
  • 休日数
  • 職場環境

などの客観的な優劣はもちろん、

  • 仕事内容
  • 人間関係

などの主観的な優劣も、あなたの「人生」に大きな影響を及ぼすのです。

あなたが「幸せな人生」を送るためには、しっかりと仕事を、すなわち会社を選ばなければいけない。

大人は、そう考えているのです。

【3】日本の「良い企業」は新卒一括採用を原則とする

新卒一括採用

日本企業の基本方針は「新卒一括採用」です。

新卒一括採用は、日本独自の採用方法。卒業間近の学生を大量に採用して、社内で徹底的に育て上げる制度です。

元々は「終身雇用(同一企業で定年まで働く)」や「年功序列(勤続年数に応じて昇進昇級する)」を前提とした制度のため、現代社会においては不合理だと考える識者も少なくありません。

しかし、「良い企業」においては「終身雇用」も「年功序列」もまだまだ外枠を残しているところが多い。

  • トヨタ自動車
  • 三菱東京UFJ銀行
  • 全日本空輸(ANA)
  • 日立製作所

誰もが知っている、安定している、待遇が良い、社会的地位が高い。

そんな企業は、大抵、新卒一括採用を人材登用の主軸にしているのです。

【4】新卒一括採用において、能力は重視されない

就活 大学生

「新卒一括採用」において「良い企業」に入ることは、容易い。

もちろん、それなりには大変です。大半の大学生は初めて就活を行うのですから。

慣れないスーツ、初めてのエントリーシート、緊張する面接。多くの学生は心身ともに疲れきってしまいます。

しかし、新卒一括採用において重視されるのは「能力」ではありません。「可能性」です。

これは新卒一括採用最大の利点と言えます。

本来、「良い企業」に入るためには自分が優秀じゃなければいけないのです。ところが、日本で新卒就活を行うのであれば、「可能性」を示すだけで良い企業に入ることが出来る。

学歴フィルターを用いる企業も多いとは言え、地方の無名大学の学生も、東大の学生も同じステージで勝負することになります。

だって、大学生が仕事のスキルを持っている訳ないのですから。

だって、新卒一括採用は「可能性があるやつをまとめて採用して、自社で育て上げるための制度」なのですから。

【5】後から「良い企業」に入ることは難しい

中途採用 難易度

反対に、新卒就活を無視して、後から「良い企業」に入社するのは本当に大変です。

繰り返しになりますが、日本企業は「可能性があるやつをまとめて採用して、自社で育て上げる」を基本戦略としています。

必要な人材は自社で育ててしまうのです。

そのため、日本の労働市場において転職者は非常に少ない。30歳を越えてから「良い企業」に入れる枠はとても小さいのです。

もちろん不可能ではありません。どんな企業であっても、優秀な人間であれば欲しいに決まっています。

ところが、転職市場において「優秀」をアピールすることは難しい。エンジニアなどの技術職ならまだしも、営業職や事務職は過去の経歴や成果をアピールするしかないのです。

そう、今まで「どこの企業」で「何をしていたのか」をアピールするしかない。

そのアピールをしっかりと出来る人間は、大抵、新卒で入社した企業で頑張ってきた人たちです。

まとめ

  1. 仕事は人生の流れを決める
  2. 仕事の内容は企業が決める
  3. 「良い企業」は新卒一括採用が基本
  4. 新卒一括採用は学生に優しい
  5. 後から「良い企業」に入るのは難しい

「突出した能力のない人間が、人生の中で企業から歓迎される唯一のイベント」

それが新卒就活です。

逆を言えば、あなたが「能力のある人間」だと自負しているのなら、新卒就活に拘る必要はありません。起業するも良し、しばらくフラフラしてから就職するも良しです。

しかし、あなたが「能力のない人間」或いは「まだ能力がない人間」ならば、新卒就活はとても良いチャンスです。しっかりと行動すれば良い企業に入ることができ、入社してしまえば「能力のある人間」に育ててくれるのですから。

だから大人たちは、何度も、何度でも言います。

「ちゃんと就活しろよ」って。

それを聞いてどうするかは、あなたの自由です。

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