こんな質問を頂きました。
いつも記事を楽しみにしています。関東の私立大学に通う3年生です。
単刀直入に言うと就活にやる気が出ません。「大人が新卒で絶対に就職しなさいという本当の理由」の記事も読んだのですが、どうしても今は将来のことを決めきれない感じです。
ゆくゆくは大手企業に就職したいと考えているのですが、大これによく書いてある、インターンに行って、OB訪問をして、面接の練習をして…という王道ルートまで行う気力がないのです。
今は、既卒後3年以内は新卒扱いで就活できるようですし、第二新卒も活発化しているようなので、今は頑張らなくても社会を見てからでも遅くないかな…と考えてしまっています。
要は、とりあえずどこかの企業に就職して、それから本当にやりたいことを探す、ということです。
私の考えは甘いのでしょうか?
ご意見頂けますと幸いです。
間違ってはいません。
- 既卒後3年以内は新卒扱い
- 第二新卒
この2つの制度によって、「新卒至上主義」と呼ばれる日本の就活界隈にも方向転換の兆しが見え始めています。
ただ、上記2つの力はまだまだ弱い。
現役の新卒生が圧倒的に有利なことに変わりはありません。
「何となくやる気が出ない」程度のことならば、体にムチ打ってでも今頑張るべきです。
なぜ「新卒」が圧倒的に有利か
大人が「新卒で絶対に就職しなさい」という本当の理由の記事で詳しく解説しましたが、現代の日本では「新卒至上主義」の考え方が蔓延しています。
- 仕事は人生の流れを決める
- 日本は新卒一括採用
- 新卒採用においては能力を求められない
- 新卒採用で入社すれば育ててくれる
- 通常の採用では「能力」が重視される
つまり、新卒時に就職しなければ、能力が育まれることはなく、能力がなければ新卒以降は就職できない。
これが日本における就活の”基本”です。
「現役学生ならば、能力がなくても(伸びしろがあれば)採用してくれる」
この1点だけで、新卒で就職することには大きな意味があるのです。
「既卒後3年以内は新卒扱い」の実態
「既卒後3年以内は新卒扱い」とは、文字通り、大学を卒業してから3年目までは「既卒」ではなく「新卒」として扱う制度を指します。
数年前から政府が推奨している施策で、本来は「留学」や「病気」等で現役時に就活を行えなかった学生が救済するためのもの。
つまり、圧倒的有利な状態で行える新卒就活を25歳まで延長することが出来るのです。
しかし、現実はそう甘くありません。
新卒で「まっさらな状態の学生」を採用したいと考えている企業側からしてみれば、わざわざ既卒生を雇うメリットは少ない。おまけに、大学を卒業してしまえば、キャリアセンターの支援も受けられない。
つまり、現役新卒より優れた要素がないと内定に至らないのです。
「第二新卒」の実態
「卒業後、1度は就職したものの、数年以内に離職した若年求職者」を指します。分かりやすく言えば、「新卒で普通に就職したけど、転職を考えている25歳以下」です。
企業は一世代の社員数を厳密に管理しています。常に一定の社員数を保っておかないと、企業バランスや年収ピラミッドを維持できないのです。
一昔前は「多めに新卒を採っとけ」で何とかなったのですが、近年は「リーマンショック」「震災」「アベノミクス」と雇用を大きく左右する社会現象が毎年ぽんぽん起こるため、社員バランスを保つのも一苦労。
その結果、「第二新卒を採用して帳尻を合わせよう」と考える企業が増えています。
ここ、大切なポイントです。
要は「第二新卒」って「帳尻合わせ」なんです。
社員数が不足しているときは積極的に行われるけど、新卒で充分な人材が確保されたときはほとんど行われない。新卒の離職率が低かった年も同様です。企業の勝手で採用枠は毎年増減します。
あなたが第二新卒を狙うとき、第二新卒の枠がどうなっているか。
それは誰にも分からないのです。
まとめ
- 既卒後3年以内は新卒扱い
- 第二新卒
確かに、若年求職者には有利な制度です。
ほんの数年前は「新卒就活でミスったら人生のレールから落ちる」みたいな風潮もありましたが、2つの制度によって挽回のチャンスを得ることが出来ます。
ただ、それでも現役新卒が最も有利なことに変わりはない。
これらの制度はあくまでも「救済措置」だと考えるべきです。
もちろん、それら全てを理解した上で「とりあえず就職」や「とりあえず卒業」を選ぶのなら、それは構いません。あなたの人生です。
それでも、私は何度でも言います。
「現役新卒の就活」ほど有利な条件で就職できるチャンスは2度と来ません。忘れないでください。