Fラン大学から大手企業へ
「無名大学から大手企業を狙う就活塾!!」
最近そんな見出しをみる機会が増えてきました。
Fラン大学から大手企業を狙うのも不可能ではありません。そして、大手企業がいかに素晴らしいかは以前こちらの記事でご紹介した通りです。
しかし、就職は学生生活のゴールであると同時に、これから40年続く社会人生活のスタート。
Fラン学生が無理な背伸びをして大企業に入ると地獄を見るかもしれません。
34歳大手メーカー勤務
私の知人に無名大学出身ながら誰もが知っている大手メーカーに勤務している男性がいます。
就活時は皆が無難なところを受ける中、彼だけは理想を高く持ち大手企業を狙い続けた。当時はそんな言葉自体ありませんでしたが、今で言う「意識の高い学生」だったと言います。
将来を真面目に見据え、努力し、前向きに彼は進み続け、誰もがうらやむ企業の内定を得ました。
そして、彼は現在こう言っています。
「いやもうマジで仕事やめたいですww」
「周りが優秀すぎるんですよ」
彼はそう繰り返します。
内定を得て、入社して、彼が最初に驚いたのは周りの出身校のレベルの高さだったと言います。
旧帝大だらけ、低くてもMARCH関関同立、それ以下の大学は彼1人だったそうです。
それでも当時は、
「勉強だけ出来ても意味ない!仕事は別!」
と意気込んでいたそうですが、意外とそうでもない。
そもそも、勉強が出来るというのは実直な努力が出来るということ、そして、勉強だけ出来ても大手企業に入ることは出来ません。
結局、同期達はみんな「勉強が出来る上に、要領も良い人」だらけだった訳です。
大学の中では優秀だった彼も、同期の中では最下部クラス。割り振られたタスクも少しずつ遅れがちになります。
少しの差が積み重なっていき…
少し遅れた時点ですぐに同期や上司に助けを求めれば、遅れを取り戻せたかもしれません。しかし、上司ももちろん上位大学。どことなく小馬鹿にされている空気があって、頼りづらかったと彼は言います。
タスクが遅れる、すると同期や上司とコミュニケーションを取る時間もなくなる。出身校によるグループ分けも出来ている、先輩も同校出身の社員を可愛がる。自然と彼らの評価は上がるが…
そして、入社から数年経って出来たものは最早埋めようのない『差』だったのです。
1度流れに乗り遅れた人に社会はとても冷たい。
同期はもう役職に付き、1人の上司から「出来ない奴」というレッテルを貼られれば別の上司も同じように見る。上司にそう見られれば、当然後輩からの評価も決まっていきます。
そして、彼は言うのです。
「いやもうマジで仕事やめたいですww」
よくある話
彼の話は一例ですが、これ、本当によくある話です。
瞬間的に背伸びして走り続けることは意外と簡単なんです。だけど、人にはどうしようもなく地の能力があります。
もちろん22,3歳での能力なんてまだまだ伸び盛りですから、最終的なものは誰にも分かりません。しかし、企業がしっかりと能力を伸ばしてくれる保証もないのです。
特に、大企業なんて3割は退職する前提で新卒を採っているところも多いですから。
とは言え、大企業優位は変わらない
彼は今悩んでいる訳ですが、もちろんこれが大企業に進んだFラン学生全てを指す訳ではありません。
確かに、彼は後悔しています。「無理をせずに自分の能力に応じたところに就職すれば良かった」と。
しかし、それはあくまでも結果論です。
他の企業に行っても同じ処遇にあっていたかもしれませんし、入社時にもうちょっと違うやり方をしていれば出世頭だったかもしれません。
そもそも、どれほど社内の待遇に不満を漏らそうが、彼は相変わらず大学の同級生の中ではエリートですし、大企業にいるおかげで転職にもそれほど苦労はしないでしょう。
まとめ
ただ、覚えておいてください。
自分よりも優秀な人たちの中でも揉まれることは成長への近道の1つですが、それは苦痛の日々でもあります。
就活の中では誰もが多かれ少なかれ上昇志向が高くなります。
「認められたい」「給料はたくさんもらいたい」「バリバリ仕事がしたい」「海外赴任でも構わない」
しかし、これから40年あなたは働くのです。
一時の感情で動くと失敗してしまうかもしれません。