ホリエモン「正社員にはならない方が良いよ」→大学生「そうか！じゃあ就活やめよう！」いやいやそれはおかしい。

正社員にはなるべき？

こんな質問を頂きました。

堀江貴文さんが公開している動画の中で、

「正社員にはならない方が良い。日本の大半の正社員は副業が禁止されているし、必然的に会社に依存することになる。派遣でも良いから複数の仕事をかけもちした方が良い」と解説しているとのこと。

結論から言うと、堀江さんの言っていることは間違ってはいません。

しかし、だからと言って「就活しない」という結論は乱暴すぎる。

現状での正解は、まずは就職して稼ぐ力を身につけ、その後に好きな労働形態を選ぶことです。

そもそも「ホリエモン」って？

堀江貴文（愛称ホリエモン）は日本の実業家、ライブドア元代表取締役。一言で言えば、すげぇ仕事が出来る人です。

出典：ウィキペディア

今の大学生には馴染みがないかもしれませんが、10年ほど前は「時代の寵児」と呼ばれ、ITバブルの象徴とも言える人物でした。

六本木ヒルズでの派手な生活、歯に衣着せぬ物言い、プロ野球球団の買収騒ぎ、2004年,2005年は本当に話題に事欠かない人だったのですが、2006年に証券取引法違反容疑で逮捕され収監。

2013年に出所し、現在は宇宙開発事業などを手がけています。

ビジネスの表舞台からは身を引いていますが、今でも動画やブログ等で「働き方」や「生き方」について言及しています。

問題の動画がこれ。

表題の動画では、そんな堀江さんが「安定への鍵は掛け持ち」と題し、これからの生き方について解説したもの。

ざっくり要約すると、

という内容。

なるほど、間違ってはいません。確かに、収入の柱を会社一本に絞るのは非常に危険です。会社に不測の事態が起こればすぐに無収入になってしまう。

だけど、この話には1つ重大な欠陥があります。

実際に行動を起こす人の能力です。

"優秀な人"じゃないと厳しい

この動画を見た大学生は思うかもしれません。

「確かにその通りだ！正社員になるのは無意味！就活はやめよう！！」

で、誰が大学を出たての若造にまともな仕事をさせてくれるんでしょうか？どこから仕事がやってくるのでしょうか？

堀江さんの労働論や人生論は一見、理にかなっていて、理想的に思えます。だけど、考え方のベースが堀江さんなんです。

東京大学中退、大学在学中に会社を立ち上げる。時代の寵児と呼ばれた天才実業家。

そりゃ堀江さんが正社員になる必要はないでしょう。また、堀江さんに近しい20代30代のやり手ビジネスマンも正社員に拘る必要はありません。

だけど、あなたはまだ大学生です。お金の稼ぎ方もロクに知りません。

まずは就活して、正社員になる。"一般的"には大手企業だと良い。

そこで5年、或いは10年働く。あなたもいずれ"優秀な人"になる。働き方を決めるのはそこからで充分です。

会社が安定して待遇が良いならそこに留まるのも良いでしょう。会社の先が見えないなら、堀江さんの言う通りダブルワークをしても良い。

堀江さんの言っていることは間違ってはいません。だけど、大学生向けではない。

安定した仕事って？

この動画の内容は、堀江さんにしては珍しく「安定」を題材にしたものでした。（普段は「リスクを恐れず起業すれば？」という内容が多い）

現代社会では「大企業の安定神話」も崩壊を見せ始め、確かに「大卒で大企業に行けば絶対に安心」の時代ではなくなっています。

しかし、自営業や中小企業に比べると大企業が安定しているのも紛れも無い事実なんです。

また、本当の意味で「安定」を求めるのなら、何よりもあなた自身が優秀な人になることが最優先。

そうすれば会社が潰れようが、景気が悪かろうが絶対に収入を失うことはありません。だって、優秀な人はどこの企業も欲しがるし、自分でお金を稼ぐことも出来るんですから。

堀江さんの言うように、働き方も自由に選べます。

【参考記事】
「安定している仕事」とは何か。そして、誰でも手に入れられる「本当の安定」とは何か。

まとめ

堀江さんの言っていることは間違ってはいません。

収入の柱を1つにまとめるのは危険ですし、複数の収入源を持っている方が安定はするでしょう。そういう意味では副業が出来ない正社員は不利です。

だけど、大学生がそれを決めるのは少し早い。

まず正社員になって、1本目の柱を作るのです。1本目をしっかりと作ってから2本3本と増やしていけば良い。

土台のない柱なんてすぐに倒れてしまいます。