企業の初任給
選考を受ける企業、或いは複数の内定をもらってどこの企業にいくか悩んだとき、
やりがいや仕事内容よりも給料を基準に選ぶ学生がいます。
そのこと自体は否定しません。むしろそうすべきだと私は考えています。
ところが、給料や条件を主軸に決めるにしても、バカな決め方をする学生も多い。
「お金で決めること」は「初任給で決める」と同義語ではありません。
「良い企業は給料が高い」のは間違いない
「良い企業=給料が高い企業」ではありませんが、多くの大学生、社会人に至るまで「良い会社」の条件の一つとして高い給与水準を挙げています。
正社員全体の平均年収(2013年)が446万円。
ここで各業界の「良い企業」の平均年収を見てみると、
トヨタ 751万円
味の素 906万円
伊勢丹 731万円
三井住友銀行 792万円
どの企業を見ても全体の平均年収を大きく上回っています。
初任給は普通
ところが、初任給を見てみてるとどうでしょう。
大卒の初任給平均(2013年)は19万8000円です
トヨタ 18万5000円
三井住友銀行 20万5000円
味の素 19万330円
伊勢丹 19万4000円
平均年収では全体の平均を大きく上回ったにも関わらず、初任給で見ると平均と同じ、むしろ下回っている企業が多いのです。
つまり、大手企業の水準以上の給与は、初任給の高さではなく年収の"伸び"にあると言えます。
初任給が高い企業は給料が増えない
「初任給が平均以下の企業」の「平均年収が全体平均以上」ということは、初任給が高い企業の給与はどうなるのでしょうか。
上記の企業と同じように伸びる訳がありません。もし、そうなら全体の平均年収がもっと増えているはずですから。
つまり、初任給が高い企業は給料の伸び率が悪いのです。
そりゃそうです。
大手企業でもないのに、社員全体に大手以上の給料を与えられる訳がありません。
見るべきは「初任給」よりも『昇給率』や『10年後の平均給与』
初任給は文字通り初年度の給料。
初任給がいくら良くても数年後には大きな差がついているのは”ざら”
給与を元に入社先を決めるのは悪いことではありませんが、見るべきは初任給ではなく『昇給率』や『10年後の平均給与』でです。
まとめ
初任給がいくら良くても昇級しないのであれば意味がありません。
また、いわゆる"ブラック"で離職率が高い企業は、人を集めるためにあえて初任給だけ高めに設定しているところもあります。
見るべきは初任給ではなく『昇給率』や『10年後の平均給与』です。