ベンチャー企業と中小企業の違い
「中小企業(ベンチャー)は〜」
こう考えている学生はとても多いですが、「中小企業」と「ベンチャー企業」は根本的に性質が異なります。
一言で言うと、
中小は「規模が小さい」
ベンチャーは「新しい」
大げさに言えば、創業100年以上の歴史ある中小企業もあり、従業員数が1000人を超えるベンチャー企業もあるのです。
今日は、中小企業とベンチャー企業に違いについてお話します。
中小企業とは
「中小企業」は企業の規模を表す言葉です。
こちらは「中小企業法」によって、『資本金』『従業員数』などに明確な取り決めが存在します。
以下がそれ。読み飛ばしても構いません。
- 資本の額(資本金)又は出資の総額が3億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種(次号から第四号までに掲げる業種を除く)に属する事業を主たる事業として営むもの
- 資本の額又は出資の総額が1億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であつて、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの
- 資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人であつて、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの
- 資本の額又は出資の総額が5000万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人であつて、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの
以上のことから分かるように、中小企業はどれだけ歴史があっても従業員数や資本金額が一定を超えない限りはずっと"中小"企業です。
そのため、「中小企業は安定していない」なんて言われがちですが、何十年も無借金経営を続けている"優良"中小企業も存在し、一概に「中小」だからと言って判断するのは非常に危険です。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業とは、時代の移り変わりを背景に、新技術や新製品を軸に急成長している企業を指します。
こちらは法律などによる明確な取り決めはなく、厳密な定義はありませんが、一般的には「新しい技術や商品を使った」「歴史の浅い企業」がポイントになります。
そのため、ウェブ系やアプリ系などのIT企業は「ベンチャー」と呼ばれますが、新しく出来た畳会社などは「ベンチャー」と呼ばれません。
中小企業とベンチャー企業の違い
中小企業とベンチャー企業は大企業に比べると「安定していなくて」「給料が安くて」「福利厚生もない」なんて思われがちですが、一概にそうとは言えません。
というか、一般的な中小企業とベンチャー企業ではかなり特性が変わります。
中小企業
大手企業に比べると「給料が安くて」「福利厚生も少ない」のは否定できませんが、「安定」に関しては話が別です。
地元に密着した小売店の展開、ニッチな機械部品の制作、日本には今までもこれからも堅実な経営を続けるであろう"優良"中小企業が多数存在します。
もしかすると、事業拡大を続けることで赤字を隠している有名企業なんかよりよっぽど安定しているかもしれません。
ベンチャー企業
ベンチャー企業の特徴は、「給料は案外良いこと」と「安定と福利厚生は無い」ってこと。
まず、給料は意外と良いです。とくに初任給なんて下手したら大企業の1.5倍くらいあります。
なぜかと言うと、そうでもしないと人が来てくれないから。給料も安くて安定もしていない企業とか誰も入りたくないですから。
福利厚生なんて作ってる時間もお金もないからありません。安定に関してはそんな言葉すら知りません。
そもそもベンチャー自体が「新しい」がキーワードですから、歴史は当然浅く、これからのことは分からない。
スマホの画面フィルムで急成長しているベンチャーもありますが、画面技術が進歩して「フィルムが必要ない液晶」が出来たら倒産です。おそらく、そう遠くない。
ただ、ベンチャーは楽しい人には半端無く楽しい。それだけが事実です。
まとめ
一口に「中小企業」「ベンチャー企業」と言ってもその実態は大きく異なります。
また、今回紹介した特徴もあくまでも「全体像」であり、それぞれの特徴は実際に見てみないと分かりません。
「中小だから」「ベンチャーだから」「大企業だから」そういった考えではなく、自分の目でしっかりと確認する習慣をつけてください。