大企業は歯車か
「社会の歯車になりたくない!!」
青臭い台詞ではありますが、気持ちは大いに分かります。
誰もが大きな力によって動かされたくはない。自分の力で仕事をしてみたい。
だけど、よく考えてみてください。
中小企業やベンチャー企業は大手企業以上に歯車なのです。
中小企業はどうやって仕事をしているのか
実は"優良"中小企業と言われる企業の多くはBtoC(消費者向け)ではなくBtoB(企業向け)の企業です。
例えば、自動車系の部品会社。
今でも日本のあちこちに何十年も続く安定した優良部品会社が存在します。
そんな企業は一般のお客さんに部品を売っている訳ではありません。何億個単位のネジを一般のお客さんが買う訳ありませんから。
では、そんな何億個単位のネジを買うのは、どこの誰でしょう?
トヨタや、日産などの大手自動車メーカー?
違います。
中堅の自動車部品会社です。最初の企業から仕入れたネジを使って、もう少しだけ大きな部品を作ります。
じゃあその部品を買うのはトヨタ?
違います。
さらにもう少し大きな自動車部品会社です。2番目の企業から仕入れた部品を使ってもう少しだけ大きな部品を作ります。
それを繰り返し、繰り返し、いくつもの企業を経由した後にトヨタや日産などの自動車メーカーに行き着くのです。
中小企業は会社自体が歯車だ
中小企業は取引先との関係で成り立っています。
乱暴な言い方をすれば、取引先に切り捨てられればそこで会社は倒産してしまうかもしれない。
必然的に中小企業の立場は弱くなります。
価格を下げろと言われれば下げなければいけない。納期を早めろと言われれば早めなければいけない。
まさに『大企業の歯車』と言えます。
IT系ベンチャーも同じ
分かりやすいので製造系の中小企業で説明しましたが、ウェブ系のベンチャー企業でも同じです。
そもそも、中小企業やベンチャー企業で取引先が"ない"というのはほぼあり得ません。
生産から流通、販売、宣伝、どこかしらに外部の力がかかっています。
ベンチャー企業が中心になって力を持つことはないのです。だって、小さくて力がないからベンチャーであり中小なんですから。
大企業も同じ
というか、大企業の社員でも、中小企業の社員でも、起業して社長になっても世間との繋がりを断ち切れる訳ではありません。
なぜなら、ビジネスは「人々が望んでいるものをお金をもらうことで代わりにやる」が原則だから。
世界的な大企業であるトヨタでさえも好き勝手に仕事をしている訳ではありません。
もし、エコカーの主流がハイブリットから電気自動車に移り変われば、敬遠している電気自動車の製造に取り組まなければいけません。
社会が欲しているものに寄り添ってビジネスを進めるのです。
これも考え方によっては『社会の歯車』と言えます。
まとめ
生きている以上は何かの歯車で当然です。
大手企業でも、中小企業でも、独立して社長になっても、それは変わりません。
ただ、その中でも自分の意思を重視して生きていきたいと思うのならば、力を付けることです。
22歳が本当の意味で歯車にならずに豊かに暮らしていけるほど、世の中は甘くありません。