英語は将来役に立つのか?
英語に関する大学生の相談は後を絶ちません。
質問者の環境や質問内容は様々ですが、
「英語を学べば就活は乗り切れるか?」
「英語が出来れば、将来仕事に困ることはないか?」
などの、英語でキャリア形成が出来るかという質問が大半です。
就活と英語(TOEIC)に関しては、以前詳しく解説しましたが、
【参考記事】
就活に英語(TOEIC)は必要なのかという話
今日はもう一歩踏み込んだ話をしましょう。
つまり、「英語を学ぶことによって人生が優位に進むのか」という話。
結論から言うと、英語は加速装置のため、学んでおけば役に立つこともあるでしょうが、英語だけではそれほど役に立ちません。
「英語が話せる」に希少価値がなくなりつつある
20世紀ならまだしも、義務教育に本格的な英語が組み込まれ、留学制度が充実した日本において最早「英語が話せること」をメインに据えるのはあまりにも"弱い"
株式会社クロスマーケティングの調査によると、日本人の10人に3人は日常会話レベルの英語を話せるとのこと。
【Economic News】
日本人の72%が「英語は話せない」「単語を羅列させる程度」
正直、30%は多すぎる気がしますが、英語を話せる人が増えているのは否定できない事実です。
オマケに、「英語が話せること」がアドバンテージになる場所って大抵エリートが集まるコミュニティ。
外資系企業、海外進出する企業etc
原則として、英語が話せる人がいる割合は大学のレベルに比例します。
入学するために基礎となる英語が必要なこと、また、高レベルの大学ほど留学制度が充実しているのが理由です。
考えれば考えるほど「英語を話せること」自体に希少価値がないことが分かります。
そして、「希少価値がないこと」はそのままキャリアの確立に繋がらないことを意味するのです。
「加速装置」としては非常に優秀
と、まるで「英語は役に立たない」みたいな話になっていますが、そんなことはありません。
英語は「加速装置」としては非常に優秀なのです。
実は、1つだけでキャリアを確実に形成できる能力ってほとんど存在しません。
「弁護士」や「税理士」といった難関資格でさえも、資格を持っていながら食いっぱぐれている人もいるのです。また、今は順風満帆でも、20年後にどうなるかは分かりません。
では、どうすれば確実なキャリアを作れるのか。答えは2つ目の能力(加速装置)を持つことです。
簡単な例を出しましょう。
- 「金融の"知識"と"経験"」を持っていれば金融機関で働くことが出来ます。しかし、それだけでは不特定多数の金融マンと同じです。そこに「英語を話せる」を加えることで、「外資系の金融企業で働く」という選択肢が生まれます。
- とある大企業で部長になるための昇進試験を受けることになりました。試験項目の「問題解決能力」や「リーダーシップ」等はみんな横並びです。ところが最後の項目「TOEIC900点以上」によって、スコア保持者が部長に選ばれます。
プログラミング×英語、営業力×英語、パフォーマンス×英語etc
英語だけでは勝負できなくても、メインの能力に英語を掛け合わせることによって何万人に1人の能力を確立することが出来るのです。
これが「英語は加速装置」という言葉の意味です。
「加速装置」として英語が優秀な理由
もちろん、掛け合わせる能力は英語だけではありません。
営業力、金融、法律、服飾、心理学etc
ありとあらゆる専門知識を組み合わせることによって何万人に1人の希少な能力を確立することが出来ます。
しかし、「希少性がない=キャリアの確立が出来ない」は事実ですが、「希少性がある=キャリアの確立が出来る」という訳ではありません。
いくら珍しくしても、需要があるかは分からないからです。
しかし、英語を始めとする言語能力だけは話が別。
多様な言語を操れるということは、そのままビジネスの相手が増えることを意味します。
「ビジネスの相手が増えること」は如何なる能力とも相性抜群の理想の加速装置なのです。
まとめ
英語だけでキャリアの確立が出来る時代は終わりつつありますが、2つ目の能力(加速装置)として英語は非常に優秀です。
英語を学ぶことはあなたの力になります。
しかし、「英語が出来る」だけで終わるのではなく、「英語で何をするのか」を忘れないでください。