先日、こんなツイートが話題になりました。
驚きの事実です。
リツイート数は1万を超え、「話題のツイート集」などのアカウントにも転載され、今なお拡散を続けています。
既にオチは見えていると思いますが、この方の次のツイートがこちら。
全く根拠のない嘘とのこと。
ところが、せっかく謝罪しているのに、謝罪ツイートの方の拡散はデマツイートの4分の1に留まっています。つまり、拡散を目にした大半の人間は未だに性描写の件を信じていることになる。
良い機会なので、ここでもう1度考えておきましょう。
ウェブ上の情報を鵜呑みにするのはやめておけ。
情報の真偽
数年前から「メディア・リテラシー(ウェブ情報の真偽を見極め、活用する能力)」という言葉の重要性が高まっています。
ウェブを見ている人の多くは無意識に「情報は正しいもの」だと考えています。
そりゃそうです。
テレビも、新聞も、本も、雑誌も。大抵の「発信される情報」はまともな大人が責任を持って発信しているのですから。
ところが、ウェブは違う。
ウェブ上では誰もが発信者になれます。
バカも、嘘つきも、人を騙すことに快感を覚える人も、金の亡者も。
「情報は正しいもの」という感覚は20世紀以前のものです。平成生まれのあなたはそんな感覚を持ってはいけない。
なぜ嘘をつくのか
「でも、そもそもウェブ上で嘘を付く必要ある?」
多くの学生はそう考えています。だけど、意味はあるんです。
お金のため
例えば、グーグル検索で「就活 腕時計」と調べると、大これが1番上に表示されます。
「就活の腕時計はシンプルなメタルバンドがベター」という単純な事実を解説した記事です。
だけど、もしファッションウォッチの会社が「就活でカラフルで派手な時計を付けるのを流行らせてください。広告料は100万円です」と申し込んできたらどうでしょう?
就活にオススメなのはカラフルなファッションウォッチです。
新卒就活のスーツ姿はみんな同じ。それではその他大勢と差別化することは出来ません。
だけど、スーツを着ないのは当然NG。そこで腕時計だけを"ハズシ"としてファッションウォッチに変えてみましょう。
そうすることによって面接官は感心するのです。
「あぁ、こいつはロボット就活生じゃない」と。
なんて書き出すかもしれない。
もちろん、私はしません、だけど、就活に限らず、同じようなことを実際に行っているサイトは数えきれない。
自己満足のため
「現実世界に満足していない人ほどウェブに没頭する」という研究結果があります。
「自己顕示欲」は誰にでもあるものです。認められたい。凄いって言われたい。自分のことを見て欲しい。
そんな欲を現実世界で満たせない人はウェブにはまっていく。
就活で失敗した人ほど2ちゃんねるで語るのです。
「就活で大成功したから内定を取る方法教えてやる」
バカ
地味にタチが悪いのが、これ。
自分が間違っていることに気付かずに発信してしまうタイプです。
ウェブ上では第三者のチェックがないので、難しい議題であればあるほど間違う可能性は高くなります。
真実を見極めるために
ウェブ上の真実を見極める本質は「経験」です。
だけど、いくつかの基本を覚えておくことで真実に近づくことは出来ます。
著者の存在
少し前までは「サイト名」によるフィルタリングが可能だったのですが、最近はライター不足が深刻化して、大手サイトでも素人同然の人物が記事を書くことも少なくありません。
誰が書いているのか。
過去にはどんなものを書いているのか。
それらを照らし合わせることで真実に近づくことが出来ます。
引用は疑ってかかる
近年「キュレーションメディア」というウェブサイトが乱立しています。
自前で記事を作ることをせず、記事の大部分を「引用」に依って成立させているサイトです。有名どころでは「NAVERまとめ」や「MERY」などが存在します。
これらのサイトは文章の本質を見抜かず、一部分だけを抜粋して記事にしてしまいます。
「就活は学歴で決まる」
この定説は、ある意味正しいし、ある意味間違っている。
と言うのも、就活には学歴フィルターに依る足切りが存在するものの、最終的な内定決定に学歴が占める割合は少ないからだ。
という記事を
「就活は学歴で決まる」
出典:大学生はこれを見ろ
みたいに書くんですよあいつら…。勘弁してくれ…。
セカンドチェック
最も大切なのは、これ。
最初に目に飛び込んできた情報だけでなく、他のサイトではどう書いているのかをチェックする。
まともな2つのサイトが同じことを書いていれば、信憑性はグッと増します。
まとめ
ウェブの"ウリ"は「誰でも情報を発信できること」です。おかげで、人前には登場しない様々な有識者の意見を知ることが出来ます。
しかし、それと同時にウェブは「発信の責任」をなくしてしまいました。
冒頭のツイートは「笑いのための嘘」だからまだ良い。だけど、学業は?就活は?あなたがネットで仕入れている大切な情報は真実ですか?
ウェブ上の情報はそんなものばかりです。
ITで生活を豊かにするためには、まず、あなたが賢明でなければいけません。