就職難
「就職難って何?」
「企業の採用数が減って就職率が下がってることです」
はい。100点満点の答えです。
ところで、就職率ですが、
出典 社会実情データ図録
下がってるか?これ。
就職率が下がってる?
1番下のグラフが卒業前年の10月の就職率、1番上が卒業直前の就職率です。
確かに2009年のリーマンショック直後は大きく就職率が下降しました。それは紛れも無い事実です。
しかし、ここ2年ほどは持ち直し、リーマンショック直前と比べても大きな差はありません。
つまり、
「就職難」を「就職率の低下」と定義するのなら、今は全く就職難ではないのです。
しかし、以前に比べると、希望の職種に就ける可能性は随分難しくなりました。
なぜでしょうか。
「就職難」と煽られた結果
現在、学生の多くが「就職するのは難しい」と認識しています。
はっきりとした根拠がある訳ではありません。なんとなく、テレビや先輩の話を聞いてそんな印象を持っているのでしょう。
1つ。例え話を出しましょう。
ここに、企業A、企業B、企業Cの3つの同業種の会社があります。3社とも1人ずつ新入社員を必要としています。
そして、新卒就活を行う、学生A、学生B、学生C
一昔前ならば、学生Aが企業Aに就活を行い、学生Bが企業Bに、学生Cが企業Cに、そして、それぞれに入社すれば何も問題がありませんでした。
ところが今は「就職難」です。学生達はそれぞれ考えました。
(1社しか受けなくて内定をもらえなかったら大変だ。同業種の他の企業も受けよう)
学生達は、企業ABC全ての採用活動に参加しました。
ところが、企業の採用枠は1人だけ。
もし、学生Aがぶっちぎりで優秀だったらどうなるでしょうか?
企業A、企業B、企業C、みんなが学生Aだけに内定を出します。
しかし、学生Aは1人しかいませんから、企業Aにしか入れません。
結果、
企業BCは、また多額のお金をかけて採用活動を行い、
学生BCは、志望業種でもない別の企業に就活を行わなければなりません。
(同年同企業に就活を行えないため)
現在、これと同じことが何万人何十万人規模で起こっているのです。
誰が得してるの、これ。
そうなんです。
「就職難」と煽ると、企業も学生も損するだけなんです。
じゃあ、誰が得するのか。
就活を「ビジネス」として捉えている方々ですね。
就活サイト、就活塾、就活本出版関連。はっきり言ってボロ儲けです。
某大手就活サイトなんて企業掲載だけで約200億円ですよ。
たまらんですたい。
だけど、どうしようもない
ところが、ここで1つの問題が生じます。
学生が、企業が、このことに気付いたとしても、1人や少数ではどうしようもないのです。
「就活ビジネスに踊らされてる!!」
と怒って、エントリーする企業を減らしたり、就活本を買わないようにしても、損するのはあなたです。
だって、皆はたくさんエントリーするし、就活本をいっぱい買うのですから。
結局あなたも周りと同じように就活するしかないのです。
理不尽ですね。
だけど、社会なんてこんなものです。
よーく見渡してみれば、強者が弱者から搾取している現場なんて腐るほどあります。
まとめ
最後はちょっと壮大な話になってしまいましたが、結論としては、
今は本来の意味の「就職難」ではないが、大きな闇の力によって擬似的に「就職難」になっている
です。