大学生の就職活動
就活に漠然とした不安を持っている学生はとても多い。
「就職できるだろうか」
「社会人としてやっていけるだろうか」
「今、何をすれば良いのだろうか」
2016卒(現3年生)、或いは2017卒(現2年生)は就活が始まるまでに何を考え、何を行えば良いのか。
お話します。
まず、「漠然とした不安」を「具体的な不安」にする
何より大切なのは、これ。
問題をより具体的に、より詳しく理解することです。
正直に言って、国立大の理系院生と地方の無名文系私大生の「就活への不安」は異なります。
- 就職が決まらないかもしれない
- どの地方で就職すれば良いか分からない
- やりがいで選ぶべきか、収入で選ぶべきか
- 就職しようか、修士(博士)過程に進もうか、起業しようか
立場や能力、境遇などによって「不安」が異なるのは当たり前です。
それを全て「就活の不安」とまとめるから話がややこしくなる。
あなたは就活の何に不安を持っているのか。
それをはっきりさせましょう。
そして、不安を解消するのに一番確実なのは、
その不安を紙に書き出して、自分の大学のキャリアセンターの職員に「どうすれば良い?」って聞きにいくことです。
「内定が取れるか分からない」という不安
人によって就活の不安は異なるとは言え、7割くらいの大学生の不安は同じです。
「内定を取れるだろうか」です。
もっと言えば、
「志望業界は決まっていないけど、なるべく良い企業に内定を取れるだろうか。今の内にやっておくことはあるのだろうか」です。
その不安に注目して、今やるべきことを解説します。
就活で必ず聞かれること
どの業界でどんな就活を行うにしても、以下の項目は必ず聞かれます。
- 学生時代に頑張ったこと
- 自己PR(学生時代の経験を基に)
- なぜその業界(会社)を志望したのか
- その会社で何をしたいのか
下2つの質問はさほど問題ではありません。
根拠がなくても答えられる「未来の自分の考え」に関する質問なので、その場で一生懸命考えれば最低限の回答は可能です。
ところが上2つ、「学生時代に頑張ったこと」と「自己PR」はそうはいきません。
「学生時代」という"過去"に注目するため、学生時代をダラダラと過ごした学生には非常に答えにくい質問なのです。
この事実を知り、就活を目前に控えた学生達は焦りだします。
「ボランティアをしなきゃ!」
「おれ!サークルの副会長になる!」
「短期留学に行かなくちゃ!」
「インターンに行かなくちゃ!」
なんとか「学生時代に頑張ったこと」を直前で作ろうとするのです。
ところが、その考え自体が間違っています。
企業が本当に欲しい学生の条件
以下の表を見てください。
リクルートが毎年実施している、学生と企業へのアンケート「就職白書」の一部。
「『企業が採用課程で重視する項目』と『学生が面接等でアピールする項目』」です。
企業が重視する項目は、上から
「人柄」「熱意」「可能性」
学生がアピールするのは、上から
「アルバイト経験」「人柄」「所属クラブ、サークル」
学生が具体的なことをアピールしてるにも関わらず、企業は「人柄」や「熱意」などの曖昧なものを重要視しているのです。
どういうことでしょうか?
なお、この項目についての詳細は以下の記事で。
全ての就活生が知っておくべき「採用担当者(企業)は学生のどこを見ているか」という話
本当は「学生時代に頑張ったこと」とかどうでも良い
実は、企業は「学生時代に頑張ったことは?」と必ず聞くくせに、その内容自体には興味がありません。
普遍的な内容を聞くことで、その学生の人柄を見ようとしているのです。
極端な話、
「おれ!人数500人のインカレサークルの会長だったんすよー!おまけに学部で一番厳しいゼミのゼミ長で有名人!!すごいっしょ?すごいっしょ?」
なんて学生よりも、
「学生時代は普通の居酒屋で普通のアルバイトを頑張っていました。みんなで楽しみながらやることをモットーに、先輩や社員の方にも可愛がってもらって本当に楽しかったです」
って言う学生の方が内定を取りやすい。
企業は毎年何万人もの学生を見るのです。サークル会長やゼミ長、留学なんて本人は"凄い"と思っていても、社会人から見れば"ドングリの背比べ"
それだけで内定を決める要素にはならないのです。
では、学生は就活に向けて何をすれば良いのでしょうか。
ポイントは2つ
大学生が就活に向けてやるべきことのポイントは、
- 年上と話すことに慣れる
- 先輩の話を聞く
この2つです。
年上と話すことに慣れる
企業が重視している項目トップ3
「人柄」「熱意」「可能性」
これら全てに共通することは「しっかりと話せるかどうか」です。
感情を込めて話す、目を見て話す、論理的に話すetc
はっきり言って、コミュ障は就活で非常に不利です。
しかし、よほどのレベルでない限りはコミュ障は必ず治ります。
多くの「コミュ障」は本質的なものではなく、「人と話すことに慣れていないだけ」だからです。
居酒屋の接客アルバイト、ゼミ、OB訪問etc
就活に準ずる活動でなくても構いません。
とにかく、就活が始まるまでに年上と話すことに慣れておいてください。
先輩(キャリアセンター)の話を聞く
冒頭の話と被るのですが、
都会の国立理系院生と地方のFラン文系が就活に向けてやることは同じではありません。
同じなのは上記で言った「年上と話すことに慣れること」くらいです。
そこで大切なのは、
自分と同じ境遇の具体的な就活を知ること。
同じ大学の先輩、或いは大学のキャリアセンターに行って、
- どんな企業を受けるのか
- そのために何をすべきか
など具体的な話をするのが大切です。
まとめ
学生の立場によってベストな行動は異なりますが、
- 年上と話すことに慣れておく
- 先輩の話を聞く
この2点はどんな大学生であっても必須です。
特に「年上と話すこと」は就活が始まってから身につけるには、序盤の面接を犠牲にする必要があるため、出来るだけ早く対策しておきましょう。