こんな質問を頂きました。
こんにちは。いつも質問に答えてくださりありがとうございます。
(中略)
先日、ニュースサイトで
- 最近の学生はスマホでレポートを書く
- 最近の新入社員はスマホばかり使うからパソコンが使えない
と言ったニュースを見かけました。
僕の周りではスマホでレポートを書く学生やパソコンを使えない学生なんて見たこともありません。
(中略)
そもそも、こういった「大人が論じる若者論」って大抵間違っているような気がします。
どう思いますか?それとも僕の世界が狭いのでしょうか?
「『大人が論じる若者論が間違っている』なら、大これは何なんだよ…」
という疑問はさておき、これは意外と根深い問題です。
新聞で、テレビで、インターネットで、私たちはあらゆる場所で「自分に関係のあるニュース」を見かけます。
ところが、それらのニュースが自分の肌感覚と間違っていることも決して少なくない。
「インターンに参加している学生は全体の六割」
↑
(え、そんなにいる!?)
「学生がファッションに使うお金は月3万円」
↑
(え、そんなに使う!?)
なぜ、自分の意識とかけ離れた考えが出回ってしまうのでしょうか。
考えられる理由
有識者の論理が間違う理由はほとんどが次の3つです。
- 統計を取るコミュニティ
- 平均の罠
- 単なるバカ
それでは、1つずつ解説します。
統計をとるコミュニティ
「偏った人間が集まるコミュニティで統計を取ること」で、全体の実情とは異なる結果が出てしまうことは多い。
例えば、とある大学生向けファッション誌で読者に向けてこんなアンケートを取りました。
「あなたが1ヶ月で洋服に使う金額はいくらですか?」
最も回答が多かったのは「月3万円前後」
本誌はその結果を堂々と紙面で発表しました。ところが、大学生の大多数はそれを見て思うのです。
「え、みんな3万円も洋服に使ってるの!?」と。
これは統計を取ったコミュニティに問題があります。ファッション誌を読んでいて、且つ、アンケートに回答する層なんて上位数%のファッション好きです。
そんな偏ったコミュニティを全体の平均として捉えるのは、無理がある。
平均の罠
例えば、「クラブで遊ぶ」って「よく行う人」と「全然行かない人」の差が激しい。
「行く人」は月10回以上行くのに、「行かない人」は1年で数回かそもそも行ったことのない人も多い。
両者の割合が同じだった場合、全体から統計を取ったとしても、出てくる平均は「月に1,2回」です。
となると、
「行く人」から見れば「え、少なくない?この話って本当に正しいの?」
「行かない人」から見れば「え、多くない?この話って本当に正しいの?」
となる訳です。平均に当てはまる人間なんてほとんど存在しません。
中学生でも分かるバカバカしい話ですが、実際に現場を見ずに、数字だけで論理を展開している大人は少なくありません。
単なるバカ
情報を発信している大人がみんな賢いと思ったら大間違いです。
「自分に当てはまるかどうか」を見極める
メディアの発達によって、私たちはデータに基づいた大量の情報を得ることが出来るようになりました。
- 就活で成功する人の共通点は◯◯
- モテる人の9割は□□
- etc
しかし、それらは決して万人に当てはまる訳ではありません。
「就活なんて適当にやれば成功するよ」も人に依っては正しいし、人に依っては正しくない。
「隙を見せれば男子なんてイチコロ!」も人に依っては正しいし、人に依っては正しくない。
その情報は、どんな人物を対象に発信されているのか。
その情報は、どんな根拠の元に発信されているのか。
情報が溢れている現代だからこそ、「その情報が自分に当てはまるのかどうか」を意識しておかないと、大きな失敗をしてしまうかもしれません。
まとめ
冒頭の
「インターンに参加している学生は全体の六割」
というデータは、就活開始1ヶ月前に就活サイトに登録していた学生を対象にしたアンケート結果です。
就活が始まる前に就活サイトに登録している学生なんて、大半がインターン目当て。インターンの参加率が高まるのは当然の話。
大これでも就活に向けてのインターン参加をオススメしていますが、このアドバイスさえも、万人に当てはまるとは言えません。
それは、あなたにしか分からないのです。
自分で、考えるしかないのです。