車の知識があるに越したことはありません。
自動車は、人生における買い物トップ10に入る高額なアイテムです。自分で買うときはもちろん、周りの人々も様々な思惑のもとに自動車を購入しています。
自分で車を購入するとき、どうやって選べば良いのか。
或いは、気になる男子が「アクセラ買っちゃったよ!」と嬉しそうにしているとき、どんなリアクションを取るのが正解なのか。
「車の知識」があるに越したことはありません。
今回は「車の一般常識」と「メーカー別のイメージ」を解説します。
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国内自動車メーカー
国内メーカーの特徴は、
- 堅実
- お手頃価格
の2つ。「日本車」は世界中で支持され、こんなインタビュー画像が話題になったこともありました。
そのため、日本メーカーの自動車販売数は世界でもトップクラス。世界1位2位を競う自動車メーカー「トヨタ自動車」を筆頭に、
- ホンダ
- 日産
- マツダ
と名だたる有名企業が存在しているのです。
それでは、それぞれの企業イメージと代表車を解説します。
トヨタ(豊田自動車株式会社)
- 日本国内自動車売上1位
- 単一メーカーとして日本最大の企業
- 良いイメージは「王道」
- 悪いイメージは「面白みがない」
自動車メーカーとして、名実共にトップに君臨するのが「トヨタ自動車」です。
大衆車から高級車、スポーツカーから軽自動車、ビジネスカーから近未来車まで。
「車を買うならトヨタで間違いない」
と言っても過言ではありません。
プリウス
現代の日本における「THE・大衆車」がプリウスです。
2009年〜2012年の新車販売台数1位。2013年以降もトップ3から陥落したことはなく、2016年は3年ぶりの1位返り咲きが確実視されています。
今となっては当たり前になった「ハイブリット(エンジンと電気モーター2つの動力源を持つ)」を真っ先に取り入れた自動車で、抜群の燃費と操作性が老若男女に好かれる理由と言えます。
ちなみに、プリウスを一回り小さくした「アクア」が、2013年〜2015年の新車販売台数1位。
この2車種が、現在のトヨタを引っ張るツートップです。
クラウン
1955年から存在するトヨタの代表車が「クラウン」です。
1980年代のキャッチコピー「いつかはクラウン」 に象徴されるように、国産高級車の代表格として60年以上も愛され続けている名車。
現在は、トヨタが展開する高級車ブランドの「レクサス」が誕生したため、"国産最高級車"という訳ではありませんが、それでも40歳以上のミドル層を中心に根強い人気を誇っています。
400万円を越える高級価格帯にも関わらず、いまだに新車販売台数ランキングに名を連ねるのはクラウンくらいのものです。
ホンダ(本田技研工業株式会社)
- 国内自動車売上2位
- 良いイメージは「おしゃれな車が多い」
- 悪いイメージは「ガラの悪い若者がよく乗ってる」
日本の自動車業界第2位。
トヨタの様な幅広いラインナップではなく、「コンパクト」や「軽」「SUV」などの時代に合わせた自動車を販売することで堅実な利益を挙げている企業です。
フィット
2002年から2015年まで、売上台数ランキングは常にトップ3。トヨタの「プリウス」「アクア」に唯一対抗できるのが「フィット」です。
17色にも及ぶカラーバリエーション。必要充分なサイズ感と燃費。そして何よりも、新車でも130万円以内に収まる圧倒的なコストパフォーマンス。
20〜30代に圧倒的な人気を誇るのも納得の1台です。
ヴェゼル
国産SUVの中で最も人気が高いのが「ヴェゼル」です。
SUVとは「スポーツ用多目的車」を指します。車内が広く、走行性にも優れたSUVは日本国内におけるベストスタイルと言っても過言ではありません。
また、デザイン面においてもSUVの人気は高まっていて「若者が好む車と言えばSUV」の流れが完成しています。
日産(日産自動車株式会社)
- 国内自動車売上3位
- 良いイメージは「トヨタに次ぐ王道」
- 悪いイメージは「もう日本車じゃない」
方向性としてはトヨタと同じで、大衆車から高級車まで幅広く販売している総合自動車メーカーです。そのイメージゆえに、日本人の多くが「国内2番手の自動車メーカー」と感じていますが、実情はホンダに次ぐ3番手。
元々は国内2位だったのですが、1990年代に業績を悪化させ、一時は倒産の危機に直面していました。その際、フランスの自動車メーカー「ルノー社」の傘下に入り、現在は3位まで持ち直しています。
リーフ
数少ない国産の完全電気自動車が「リーフ」です。
日産は、電気自動車の分野に非常に力を入れていて、街中で走っている電気自動車の8割はリーフだと言っても過言ではありません。
セレナ
最大8人乗れるミニバンの中で最も人気が高いのが「セレナ」です。
基本的にはファミリーカーとしての位置づけですが、その車格の大きさから「マイルドヤンキー」と呼ばれる層からも支持されています。
マツダ(マツダ株式会社)
- 国内自動車売上4位
- 良いイメージは「デザインがカッコいい」
- 悪いイメージは「ブランド力がない」
マツダは、日本企業の中で最もデザインに優れたメーカーです。
国産車と海外車の最大の違いは「デザイン」だと言われています。「どれだけ国産車の技術が優れていても、デザイン面では海外車に10年の遅れをとっている」と論じる識者もいるほどです。
そんな国内メーカーの中で唯一、海外高級自動車にデザイン面で拮抗しているのがマツダなのです。
ただし、ブランド力は遠く及んでいません。そのあたりはマツダも強く実感しているようで、近年は高級感のあるディーラー建設を進めています。
ロードスター
2016年「ワールド・カーオブザイヤー」及び「ワールド・カーデザインオブサイヤー」受賞車。
日本車としては非常に珍しいオープンカーですが、世界基準でも「美しい車」の代名詞となりました。
アクセラ
まるで海外高級車のようなデザインが支持されているのが「アクセラ」です。
にも関わらず、海外高級車の半額以下の価格で購入できるため、日本はもちろん本場のヨーロッパにおいても一定の支持を受けています。
その他の国内自動車メーカー
日本国内における売上トップ4は、
- トヨタ
- ホンダ
- 日産
- マツダ
この4社ですが、日本には有名な自動車メーカーがまだまだ存在するので、ざっくり解説します。
スバル(富士重工業株式会社)
- 国内自動車売上5位
- 良いイメージは「技術力が高い」
- 悪いイメージは「デザインが一般ウケしない」
スバルは技術力に定評のあるメーカーです。エンジンや走行性能はもちろん、安全装置「アイサイト」の搭載により、国内外の車好きから絶大な支持を集めています。
ただ、クセの強いデザインが多く、販売力も弱いため、一般ユーザー受けはしないのが現状です。
スズキ(スズキ株式会社)
- 国内自動車売上6位
- 良いイメージは「おしゃれな軽自動車」
- 悪いイメージは「安っぽい」
スズキは「軽自動車」と「コンパクトカー」に販売力を集中させているメーカーです。
カッコいい系の車よりも「便利」で「手軽」なラインナップが揃っているため、地方の年配ユーザーや、若い女性からの根強い支持を受けています。
ダイハツ(ダイハツ工業株式会社)
- 軽自動車国内シェア1位
- トヨタの子会社
- 良いイメージは「軽自動車ならダイハツで間違いない」
- 悪いイメージは「おもしろみがない」
「トヨタの軽自動車部門」と認識しても問題ありません。
販売車種の大半は軽自動車であり、日本国内における軽自動車シェアの30%以上を占めています。
ミツビシ(三菱自動車工業株式会社)
- 一般車より商用車に強い
- 良いイメージは「働くくるま」
- 悪いイメージは「不祥事起こしすぎ」
2000年に三菱リコール隠し事件が発覚。1977年から10車種50万台以上の不具合を隠蔽していたことが内部告発により判明。
2002年に再びリコール隠し事件が発覚。当時の社長が逮捕されるほどの大事件に。
以上2件により倒産危機に陥ったものの、三菱グループの多大なる支援を受けて何とかふんばっていました。
そして2016年、燃費偽装事件が発覚し、ブランドイメージ最悪へ。今度こそダメかと思われましたが、日産の傘下に入ることで落ち着く結果となりました。
繰り返しになりますがブランドイメージ最悪です。
海外高級自動車メーカー
日本国内で高いシェアを誇る海外自動車メーカーは、ほぼ全て高級車です。
繰り返しになりますが、日本の自動車産業は非常に優秀です。どの角度から見ても、海外勢が入り込む隙間はほとんどありません。
ただ、唯一、海外勢に圧倒的に負けているのが「ステータス」です。
海外の自動車メーカーまで覚えておく必要はありませんが、日本の高級車市場において高いシェアを誇るドイツメーカー、
- Mercedes-Benz
- BMW
- Audi
この3社は知っておいて損はありません。
Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)
- 国内の高級車シェア1位
- 良いイメージは「王道の高級車」
- 悪いイメージは「悪い人が乗ってるやつ」
おそらく、日本に住んでいて「ベンツ」の名前を知らない人はいないでしょう。それほどまでに、圧倒的な認知度を誇る「高級車」なのです。
また、日本メーカーと違い、海外メーカーの多くはラインナップに個別の名前を設定していません。
日本車であれば「プリウス」や「クラウン」などの名前がありますが、海外車では「E200」などの"グレードを意味するアルファベット"に"排気量やランクを意味する数字"をプラスした無機質な名前が一般的です。
ベンツにおけるアルファベットの序列は、
S>E>C>B>A
原則として、アルファベット後者の方が上位グレート(値段が高いモデル)になっています。
Aクラス
ベンツにおける最安値モデルがAクラスです。
日本車の多くが300万円以内に収まるなか、最安値でも300万円を越えてくるのが海外高級車のステータス感の象徴でもあります。
ただ、言うまでもなく、「高級外車のエントリーモデル」と「国産の上級車」では後者の方が圧倒的に格上です。
そういう意味では「ベンツだ!すげー!」よりも、もう一段階踏み込んだ知識が欲しいところです。
Sクラス
日本において、「成功者の象徴」とも言えるのがベンツSクラスです。
998万円はSクラスの中で最安値の「S300」の価格。上級モデルの「S600」ならば、2000万円以上の価格帯になります。
大手企業の社長から極道まで。ありとあらゆる権力者に好かれる車と言えます。
BMW(ビーエムダブリュー)
- 国内の高級車シェア3位
- 良いイメージは「おしゃれな高級車」
- 悪いイメージは「成金」
日本における高級車と言えば、長らく「ベンツ」と「BMW」のツートップでした。
ベンツは「後部座席に座る高級車」として人気です。運転手は別にいて、持ち主は後部座席で座っているだけ。"ウリ"は、重厚感とラグジュアリーな内装にあると言えます。
BMWは「運転席に座る高級車」です。自らが運転席に座り、運転そのものを楽しむことが出来る。"ウリ"は、走行性能とシャープな外観にあると言えます。
また、BMWは、車種名の最初の数字がグレードを意味しており、
7>5>3>2>1
数字が大きいほどが上位グレードとなっています。
3シリーズ
BMWの中位モデル。
「高級外車のセダン」の中では比較的安価で中古車も豊富なため、街中で最も見かける高級車と言えます。
大手企業のサラリーマンや、若手社長からの人気が高い。
7シリーズ
BMWの最高級モデルが「7シリーズ」です。
長らくBMWはこの分野が"弱い"とされていました。先ほども解説しましたが、「運転席に乗る高級車」として人気が高いBMWにおいて、大柄で重厚感を求められる最高級モデルは苦手分野だったのです。
しかし、2016年に「ワールド・ラグジュアリー・カーオブザイヤー」を遂に受賞。
2014年、2015年の受賞車がベンツSクラスであるため、形勢が完全にひっくり返った訳ではありませんが、今後の進退に世界中が期待しています。
Audi(アウディ)
- 国内の高級車シェア4位
- 良いイメージは「分かっている人の高級車」
- 悪いイメージは「中途半端」
ベンツとBMWは、日本での人気が高くなりすぎました。
「高級」や「ステータス感」って、ある程度少数派だからこそ喜ばれるのです。そういう観点で言うと、何十年も前から人気が続いているベンツやBMWは「高級車の割には、みんなが乗っている車」になってしまいます。
その気になれば、フリーターでも中古車を買うことが出来るのですから。
そして、ベンツとBMWを避けた人が次に選ぶのがアウディです。
アウディは、2文字目の数字がグレードを表していて、
A8>A5>A4>A3>A1
原則として、数字が大きいほど高いグレードになります。
A4
アウディの中位モデル。
2016年の「日本カーオブザイヤー・インポート部門」受賞車。
中位モデルとは思えない美しい内装とラグジュアリー感によって、高い人気を誇っています。
TT
TT(ティーティー)は、数字によるグレード表記から独立したスポーツモデル。
高級海外車の2ドアモデルの中では比較的安価なため、30代40代を中心に強く支持されています。
その他の知っておくべき自動車メーカー
ここまでは「日本の有名自動車メーカー」と「海外高級自動車メーカー」を紹介してきました。
しかし、一般常識として、もう2社だけハズせない自動車メーカーが存在します。
それが
- レクサス
- フォルクスワーゲン
の2つです。
レクサス(豊田自動車株式会社)
- 国内の高級車シェア2位
- 良いイメージは「上品な高級車」
- 悪いイメージは「所詮トヨタ製(≒だから高級車ではない)」
レクサスは、トヨタが展開する国産唯一の高級自動車ブランドです。
日本における高級車とは、前述の「ベンツ」「BMW」「アウディ」に「レクサス」を加えた4社を指すことが多く、レクサスはずっと4番手の位置付けでした。
どれだけレクサスの技術力が優れていても、『ステータス感』という一点において、どうしても海外高級車ブランドには勝てなかったのです。
しかし、2012年あたりから徐々に人気を伸ばし、2015年には、
- メルセデス・ベンツ
- レクサス
- BMW
- アウディ
遂に、販売台数において2番手まで浮上することに成功したのです。
元々、日本車の技術力は海外車に負けていません。そして、ステータス感においても海外車に迫ることが出来たのなら…今後10年で勢力図は大きく変わる可能性を秘めています。
VOLKSWAGEN(フォルクスワーゲン)
- 世界1位,2位を競う自動車メーカー
- 良いイメージは「手頃でおしゃれな海外車」
- 悪いイメージは「ちょこちょこ不祥事起こしてる」
海外自動車メーカーが全て高級車を生業としている訳ではありません。海外の大衆車メーカー、その代表格がフォルクスワーゲンです。
日本では比較的マイナーな方に入りますが、その実情は、世界中の自動車メーカーを傘下に収める大企業です。世界シェアでは、常にトヨタと1位2位を競い合っています。
2015年に排ガス不正問題が発覚したものの、大きな影響は受けていません。
ちなみに、「名探偵コナン」のアガサ博士が乗っている車は、フォルクスワーゲンの「ビートル」です。
まとめ
以上が「一般常識としての車の知識」です。
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