「私がなぜ就活で成功したのか」
「就活で成功するための7つのルール」
学内セミナーで、ウェブの就活記事で、ゼミ活動の中で。
ありがたいことに、今や内定に向けた情報量は莫大です。少し足を伸ばせば、就活本もびっくりな情報をタダで手に入れることが出来ます。
その中でも、つい最近まで就活を行っていた4年生(或いは院2年)の話はとてもありがたい。就活における生の情報を聞けるのですから。
しかし、ここに落とし穴がある。
その「就活で成功した4年生」の話は本当に正しいのでしょうか?
「成功理由」は「答え合わせ」されていない
多くの4年生は「自分が就活で成功した理由」を事細かに話してくれます
- 部活で培ったチームワークのアピールが評価されたんだ!
- 思い切って面接で会社の問題点を指摘したら褒められてね!
- インターンを行うことでコミュ力が上がって、それが良かったんだよ!
なるほど。確かに、それらが内定への一助になったことは間違いありません。
しかし、それらを鵜呑みにするのは危険すぎる。
それらの「成功理由」は答え合わせが行われていないからです。
本人は「部活で培ったチームワークが評価された」と考えていても、実際の内定理由は「部活動で学んだ目標への向き合い方」が評価されたのかもしれない。
本人は「会社の問題点を正確に指摘したのが評価された」と考えていても、実際の内定理由は「問題点を指摘するために行った企業研究への熱意(問題点はズレている)」が評価されたのかもしれない。
最終面接以降、入社までに面接官と再会する学生はほとんどいません。
つまり、本人たちが考えている「成功理由」なんて大半が思い込みでしかないのです。
それらの話を鵜呑みにして、
「そうか!面接で会社の問題点を指摘すれば評価されるのか!!」
なんて勘違いをすれば、痛い目を見るのはあなたです。
何を聞き出すか考える
ただ、勘違いしないでください。
「4年生の就活体験談は無駄」なんて言いたいのではありません。
直近まで就活を経験していた彼らの話は、場合に依っては社会人の話なんかよりよっぽど役に立ちます。
だけど、就活に限らず、相手の立場に依って聞く内容を変えるべきなのです。
4年生には、
- どういったスケジュールで就活に臨むべきか
- どうやって志望企業を見つけたのか
- 序盤にやっておいた良いことは何か
社会人には、
- どんな学生が評価されるのか
- あなたから見て、私の長所と短所は何か
- 今から就活をするなら、何を基準に企業を選ぶのか
など。
就活を終えたばかりの4年生と、入社したばかりの新社会人、入社して20年経ったベテラン。
それぞれが「有益な情報」と「無益な情報」を持っています。だけど、意外と本人達はそれに気付いていない。4年生に「評価ポイント」を聞いても無駄なように、40歳のベテランに「就活スケジュール」なんて聞いても意味がありません。
何を聞くべきか。何を聞かないべきか。
それは、あなたが考えることなのです。
まとめ
誰だって、みんなに凄いと思われたい。
そのため、4年生に話を聞こうとすると、どうしても「なぜ、自分が成功したのか」に話が偏りがちになります。
しかし、4年生に聞くべきポイントはそこではありません。どんな学生が評価されるかは、評価する側に聞くべきなのです。
その代わり、4年生には、
- 具体的な就活スケジュール
- 志望企業の絞り方
- 企業研究の内容
- 有益セミナーの情報
などをじっくり聞きましょう。
直前まで就活戦線のド真ん中にいた学生の"ナマ"の話は、10冊の就活本よりも価値があります。