面接で聞かれること
就活で聞かれる質問って、基本的にはここ10年20年変わっていません。
「学生時代に力を入れたことは?」
「志望動機は?」
「うちに入って何したい?」
ただ、ネットや就活ビジネスの発達によって、就活生たちは質問を予測するようになりました。あらかじめ用意された答えを発表する暗唱大会になってしまったのです。
尤も、「質問を予測して、適切な答えを用意し、魅力的に伝える」これはこれで社会人に必要な能力なので、未だに多くの企業は上記のベタな質問を繰り返します。
だけど、中には「用意された答えより、学生の素が見たいんだ!」という企業も少なくありません。
そんな企業はここ数年で学生が予想していない面白い質問を繰り出し始めました。
「あなたを動物に例えると何ですか?」
「高校時代の学園祭は楽しかったですか?」
「好きな色は?」
ところが、当初は予想外だった質問も翌年にはすぐに対策されてしまいます。
そして、遂にたどり着いた質問がこれです。
「◯◯の問題は何で、解決するにはどうすれば良いと思いますか?」
「問題」と「答え」の両方を問う
具体的には、こんな感じ。
「あなたから見て、弊社の今後の課題はどういった点で、それを解決するためには何が必要だと考えていますか?」
今までの問とは方向性が明らかに違います。
「問題」が分かるからこそ「答え」を対策できるのです。
ところが、この質問は「問題」と「答え」の両方を答えさせようとします。そして、いくらでも応用が出来るため、対策の仕様がありません。
「学生と企業のミスマッチの原因は何で、解決するためには何が必要だと思う?」
「『日本の大学生は勉強しない』なんて話があるけど、原因と解決方法は何だと思う?」
質問が分からない以上、具体的な対策は出来ませんが、答えの方向性はお教えすることが出来ます。
方向性
この質問のポイントは「答え自体は対して重要ではない」ということ。
というか、大抵の場合「正しい答え」なんて無いんです。
この質問でよく登場するのが「会社の課題と解決法」ですが、その明確な答えが学生に出せるならとっくに他の誰かが実践しています。
新規顧客を開拓するのも、既存顧客を守るのも、新製品を作るのも、既製品のファンを増やすのも、全て正しいしある意味では全て間違っている。
この質問の意図は「既に起こっている問題に対し、最低限の課題と解決法を見つけられるか」ということ。
- 論理が破綻していない
- 答えが具体的
この2つさえ守れば、回答はさほど難しくはない。
論理が破綻していない
「あなたから見て、弊社の今後の課題はどういった点で、それを解決するためには何が必要だと考えていますか?」
この質問に対して、
「同業他社の新製品によってシェアが奪われるかもしれない。だから、こちらは社員をリストラしてコストカットすべきだ」
なんて答えは当然×です。意味が分からない。
もし、「他社にシェアを奪われるかもしれない」という課題を出すならば、
「よって、奪われないために既存顧客のサポートを手厚くするべきだ」
「よって、さらに魅力的な新製品を開発して、こちらも新規顧客の獲得に乗り出すべきだ」
という答えを出すならば、正否はともかく論理は破綻していません。
答えが具体的
論理が破綻していなくても、具体的な答えを出さなければ当然意味がありません。具体性が必要なければ、解決策は「精一杯がんばる」でOKになってしまいます。
先ほどの例をもう1度考えるならば、
「よって、奪われないために既存顧客のサポートを手厚くするべきだ」だけではなく、
「よって、奪われないために既存顧客のサポートを手厚くするべきだ。具体的には、保証期間の延長や解説サイトの充実などが挙げられる」
ここまで答えれば、充分な回答が出来上がります。
まとめ
「◯◯の問題は何で、解決するにはどうすれば良いと思いますか?」
今年、或いは来年以降、面接の場でこの質問を聞く機会が増えるかもしれません。
だけど、焦らなくても大丈夫です。本当の意味での「解答」を面接官は望んでいる訳ではありません。面接官の質問の意図を理解し、
- 論理を破綻させずに
- 具体的に
答えることで、簡単に突破することが出来ます。