「大学生、或いは10代20代に人気の中型バイクは何か」
はっきり言えば、正確なデータは存在しません。
バイク業界が把握しているのは「新車の販売台数」のみです。中古市場でどんなバイクが人気で、どのバイクをどんな年齢の人が購入しているのか、そこまでは調査できないのです。
そこで今回は、「大学生はこれを見ろ」に寄せられた情報をもとに、
の3つに分けて「大学生に人気の中型バイク」を解説します。
新車販売台数の公式記録
「新車の販売台数」が「大学生に人気の車種」ではありません。
しかし、中型バイクの公式販売記録である以上、人気バイクの実態として頭に入れておくべきです。
データは「126cc〜250cc部門」と「251cc〜400cc部門」の売上台数を合算して、販売台数が多い順に掲載しています。
1位 YZF-R25 / MT25
YAMAHAが販売するフルカウルバイク「YZF-R25」が堂々の1位です。
- 走行性能
- デザイン
の2つを高次元で実現している1台で、昨今のフルカウルバイク人気の立役者と言えます。
また、このランキングには、「YZF-R25」からカウルを取り除いた「MT25」も含まれています。
2位 PCX150
HONDAが販売するビッグスクーター「PCX150」が二位です。
実用性を考えれば、PCXに勝るバイクは存在しません。
- 乗り心地
- 積載量
- 燃費
と、文句の付けどころがないのです。
3位 マジェスティS
YAMAHAが販売するビッグスクーター「マジェスティS」が3位にランクイン。
人気の理由は2位のPCXと同じ。どちらかと言えば、マジェスティSの方が若者人気高めです。
4位 Ninja250 / Ninja250SL
KAWASAKIが展開するフルカウルバイク「Ninja250」が4位。
1位の「YZF-R25」と並んで、フルカウルバイクの人気の高さが伺えます。
また、「Ninja250SL」は「Ninja250」を『楽しく走る』に寄せたバイクです。
パワー、車格ともに一回り小さくすると同時に、乗車姿勢を前傾に寄せています。そのため、峠やサーキットを目一杯アクセルを回しながら楽しく走ることが出来るのです。
5位 セロー250
YAMAHAが展開しているオフロードバイク「セロー」が5位です。
オフロード/モタードの中では唯一のランクイン。どこでも走れる走行性能はもちろん、街中でも映えるおしゃれなデザインも魅力と言えます。
6位 CB400SF / CB400SB
教習車にも使われるHONDAの王道バイク「CB400SF」がやっとランクインです。
250ccも含めた今回のランキングでは6位ですが、400ccのみのランキングでは圧倒的なシェアで1位を獲得しています。
ちなみに、「CB400SB」は「CB400SF」にハーフカウルを付けたモデルです。
7位 YZF-R3 / MT03
ランキング1位「YZF-R25」の兄弟車である「YZF-R3」が7位にランクイン。
両車のデザインはほとんど同じ。違うのは排気量です。
「YZF-R25」が250ccであることに対して「YZF-R3」は320cc。中途半端ではありますが、車検が必要な400ccクラスになります。
8位 フォルツァSi
HONDAが展開する250ccビッグスクーターの「フォルツァSi」が8位。
ビッグスクーターは、
【2位】PCX(150cc)
【3位】マジェスティS(155cc)
が、それぞれランクインしていますが、純粋な250ccでは「フォルツァSi」がトップです。
上記2車種に比べると、一回り大きい車格と高い走行性能が魅力的。
9位 GSR250
SUZUKIが販売するバイクの中ではトップの売上を誇るのが「GSR250」です。
少し特徴的なデザインですが、250ccネイキッドの現行車種の中では1番の売上を見せています。初心者にもオススメのバイクです。
10位 CBR400R / 400X
HONDAが展開する400ccスポーツバイク「CBR250R」が10位です。
兄弟車の「400X」は、「CBR400R」と同じエンジンを使用しているため売上台数は同じ扱い。デザインは大きく異なります。
大学生に人気のバイクの条件
新車の売上ランキングだけを見ると、
- 250ccクラスが人気(7車種)
- フルカウル、スクーター人気が高い
- アメリカン人気が低い
などが特徴的です。
ただ、繰り返しになりますが、「新車の売り上げランキング」と「大学生に人気のバイク」は異なるもの。
大学生が好むバイクには、以下の3点が挙げられます。
- 250ccクラスが中心
- 5年前〜10年前の中古車
- 人気デザインは「フルカウル」「ネイキッド」「アメリカン」
それでは、1つずつ解説します。
250ccクラスが中心
大学生にとって、バイクは大きな買い物です。
親に買ってもらうにしろ、バイト代にしろ、予算を気にせずに買うことは出来ない。自分で買うならローンを組む人が大半です。
そのため、どれだけ欲しくても新車で90万円近くする「CB400SB」なんて手が出しづらい。車体代だけでなく、車検費用もかかってしまうのですから。
そのため、新車で買うなら50万円を切る250ccクラスが中心になります。
5年前〜10年前の中古車
繰り返しになりますが、大学生の大半はお金がない。
そのため、そもそも新車で買う人口が圧倒的に少ない。大学生の本命バイクは「5年〜10年前の中古車」です。
バイクは、信頼できるショップで買うならば、
- 年式は15年前まで
- 走行距離は2万キロまで
このあたりの中古車なら、大きな問題は起こりづらい。そのため、「中古車を30万円〜50万円で買う」のが大学生を中心とした若者の主流です。
もちろん、生産中止のバイクだけでなく、現行車も中古の方が安く購入することが出来ます。
特に、
- CB400SF(HONDA)
- ドラッグスター400(KAWASAKI)
- SR400(YAMAHA)
このあたりの人気車種は、20年以上も販売されているロングセラー車のため、安価なものは20万円台で購入することも可能です。
人気デザイン
- フルカウル
- アメリカン
- ネイキッド
これが大学生に人気の3デザインです。
「フルカウル」は、どちらかと言うと「大人しい学生」に人気です。新車をノーマルで購入する学生が多く、休日はツーリングで遠出します。
反対に「アメリカン」は「やんちゃな大学生」に人気です。カスタムした中古車を購入することが多く、夜中に集まることが多い。人気不良マンガの主要人物が大抵アメリカンに乗っていることも人気の一助となっています。
「ネイキッド」を選ぶ学生は様々です。レース使用にしてコースを走る学生もいれば、爆音カスタムにして夜道を暴走する学生もいる。もちろん、ノーマルで通学するだけの学生もいます。
大学生に人気の具体的な車種
それでは、大学生人気の高い具体的なバイクの紹介です。
正確なデータはありませんが、当サイト「大学生はこれを見ろ」に寄せられた情報と、肌感覚をもとに紹介します。
ドラッグスター400
「大学生に人気のバイク」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが『ドラッグスター400』です。
バイクに乗るきっかけの多くは、
「どこかでバイクにカッコいいイメージを持ったから」
です。
そして、「どこか」は何らかの作品であることが多い。先ほども紹介しましたが、人気不良マンガの「WORST」における登場人物の多くはドラッグスター400を愛車にしています。
もちろん、「マンガに出てくる」だけが人気の理由ではありません。
ドラッグスター400は、「大きな車体」と「高級感のあるメッキパーツ」を搭載した文句のつけようがない王道のアメリカンバイクなのです。
また、ドラッグスターは1996年から販売されているロングセラーモデルのため、大学生の入手先は中古が一般的。
金額の目安として、2000年代が30万〜40万円前後、2010年代なら50万円前後で購入することが出来ます。
また、中型クラスのアメリカンとしては「ドラッグスター400」が圧倒的な人気を誇っているため、人と被りたくないのであれば、
- シャドウ400(HONDA)
- イントルーダー400(SUZUKI)
- エミリネーター250(KAWASAKI)
- レブル250(HONDA)
- マグナ250(HONDA)
あたりをチェックしてみてください。
YZF-R25
近年、大学生人気が高まっているのがフルカウルバイクの「YZF-R25」です。
一昔前まで、フルカウルのバイクは大学生に不人気でした。前傾姿勢がキツく、カラーリングが派手な、いかにもレース場で走りそうなバイクは若者ウケしなかったのです。
ところが、2008年に近代的な曲線美を採用した「Ninja250」が販売されると人気が爆発。2011年にフルモデルチェンジを行った「CBR250R」も人気を後押ししました。
そして、2014年にはデザイン力に定評のあるYAMAHAが「YZF-R25」を販売。
各社のフルカウルモデルが出そろった結果、トップを取ったのは「YZF-R25」という訳です。
ただ、「YZF-R25」は、新車価格は安めなものの、中古車が非常に少ない。
そのため、中古車狙いの大学生は、前述の「Ninja250」か「CBR250R」に流れています。
CB400SF
「新車販売ランキング6位のCB400SF」と「大学生に人気のCB400SF」は意味が違います。
前者は「21世紀の王道バイク」ですが、後者は「中古車市場で最も台数が多いネイキッドバイク」です。
1992年発売のCB400SFは、発売当初から「400ccネイキッドの王道バイク」として高い人気を誇っていました。
そのため、2017年現在においても、中古車市場には数えきれないくらいの台数が販売されています。それこそ、「30万円前後で王道の400ccが買える」のです。大学生から支持されない訳がありません。
また、同じ理由で、2000年代のネイキッドバイクは大学生から高い支持を集めています。
特に、
- 2000年代の中古車
- 250ccクラス
- ネイキッドバイク
この3つの要素を満たすバイクは非常に多く、デザインも似ているため、名前に拘らずにバイクを探してみても面白いかもしれません。
マジェスティ
ミッションバイクとは異なる方向性で支持されているのが「マジェスティ」です。
126cc以上のスクーターを「ビッグスクーター」と呼びますが、大学生に人気のビッグスクーターの特徴は「フルカスタム」です。
- 光沢塗装
- チタンマフラー
- エナメルシート
- 高音質スピーカー
と、いわゆる「VIP仕様」のカスタムを施すことで、一部の大学生から絶大な支持を集めるデザインが完成します。
また、新車販売ランキングを見れば分かるように、ビッグスクーターの排気量は縮小傾向にあります。
【2位】PCX(150cc)
【3位】マジェスティS(155cc)
【8位】フォルツァSi(250cc)
排気量が小さいと車格も小さくなり、「VIP仕様」のイメージが下がってしまいます。
そのため、大学生に人気なのは一昔前の「250ccのビッグスクーター」です。今回紹介している「マジェスティ」を筆頭に、
- フォルツァ(HONDA)
- スカイウェイブ(SUZUKI)
- マグザム(YAMAHA)
などの「カスタム済みの中古車」を狙うのが一般的になります。
まとめ
- 250ccクラスが中心
- 5年前〜10年前の中古車が人気
- アメリカン、フルカウル、ネイキッドが主流
これが大学生人気の高いバイクの基本です。
ただ、バイクは趣味の割合が強い乗り物。そのため、バイク購入に悩んでいるのならば、難しく考え過ぎずに「自分の好きなバイク」を選ぶのがおすすめです。
また、バイク購入の参考になるように「初心者に向けたバイクの選び方」の記事も執筆しています。興味のある方はこちらもどうぞ。