こんな質問を頂きました。
はじめまして。いつも「大これ」を楽しく拝見している2年生(関西の私立大学経済学部)です。
(略)
先日ツイッターで紹介されたレポートの記事を拝見しました。
【過去記事】
誰でも簡単に80点以上を狙えるレポートの書き方
レポートの苦手な私からすれば、こんな簡単なコツで80点を狙えるなんて凄いと思ったのと同時に、失礼ながら本当にこれで80点を取れるのか?という疑問が生まれました。
そこで、今学期履修している講義の先生に確認をとったところ、
「間違ってはいないが、これだけで80点を与えることはない」と一蹴されてしまいました。
とても残念です。一応、そういった先生がいることをお伝えしたくて、メールを差し上げました。
これからもタメになる記事を期待しています。
非常に言いづらいのですが「正直者はバカを見る」の典型を見た気分になっています。
該当の記事は「文系学部生のレポートは3つのコツを抑えるだけで高得点を狙える」というもの。コツの内容は、
- 外見を整える
- お題は狭く、深く
- タイトルは分かりやすく、簡潔に
以上3つ。文章構成や論理展開については言及していません。
ここで問題になるのは「私が正しいのか、該当の教員が正しいのか」ではなく、「該当の教員は本当に真実を語ったのか」という点です。
教員の気持ち
教員の気持ちになって考えてみてください。
「学部生レベルのレポートなら中身なんて関係ない。コツさえ抑えれば高得点は取れる。教員も忙しいから1つ1つレポートきっちり評価できないよ」
こんな話、肯定できると思いますか?
教員にも建前があります。「私はしっかりとレポートを読み込み、公平な採点を下している」という建前が。
私が伝授するコツが事実でも、例え嘘でも、教員は肯定することは出来ないのです。
それを肯定してしまえば授業は崩壊してしまいます。誰もまともにレポートを書かなくなってしまうのですから。
聞かないで欲しい「グレーゾーン」
「駐輪場ガラガラなんで、1日だけバイクを停めても良いですか?」
「アパートの契約書には『第三者の立ち入り禁止』って書いてあるけど、恋人を泊めても良いですか?」
「バナナはおやつに入りますか?」
世の中には「グレーゾーンだから黙認しているけど、改めて聞かれると『NO』と言わざるを得ないこと」が数えきれないくらい存在します。
損をするのはあなただけではありません。相手だって「黙ってやってくれること」を望んでいる場合すらあるのです。
考えるんです。
自分にとっての得はなにか。相手にとっては?
誰かに迷惑をかけないか?倫理的にはどうだ?
自分で考えるんです。真剣に考えるんです。それが出来れば、世の中を渡るのが少し上手になります。
まとめ
もちろん、冒頭の教員は真実を語ったのかもしれません。学生のレポートを1つ1つ丁寧に採点する真面目な人という可能性もあります。
だけど、問題はそこじゃない。
真実はどうあれ、立場のある人はグレーゾーンのこと、或いは不都合な事実に対して「NO」と答えるしかありません。
その部分に考えを及ばせずに問を投げかけ、返ってきた答えを鵜呑みにしたことが問題なのです。
自分で考えるのです。
それが出来ない人間は、必ず損をします。