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就活における学歴フィルターと突破方法について詳しく解説する。

学歴フィルター 就活

「学歴フィルター」ほど、学生を惑わす言葉はありません。

大学のレベルによって、就活に差が出る。そんなことは何となく分かっている。

だけど、

  • どのレベルの大学から
  • どの程度の差が出るのか

は、明確な答えが出ない。その答えは企業内部の人にしか分からず、企業内部の人は答えてくれないのですから。

と言う訳で、今回ははっきりさせましょう。

就活における学歴フィルターの詳細突破方法の解説です。

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学歴フィルターとは

学歴フィルターとは「大学名による足切り」のことを指します。

例えば、大手有名企業では1度の新卒採用で1万通を超えるエントリーシートが届くのです。200人を採用するとは言え、1万通ものエントリーシートを1つ1つチェックするのは骨が折れる。

そこで学歴による足切りを機械的に行うのです。

仮に「MARCH関関同立以上」とフィルターを設定したのならば、1万通のエントリーシートは2000通まで絞ることが出来る。2000人の応募者ならば、何とか200人まで絞りこむことは容易い。

全ての企業が行っている訳ではありませんが、いわゆる、

  • 大手企業
  • 人気企業
  • 優良企業

などの「学生が殺到する企業」においては、学歴フィルターを採用している企業が多い。

なぜ「学歴フィルター」を使うのか

採用活動の効率化のためです。

ここ、後々フィルターを突破する方法にも通じるので覚えておいてください。

採用側の人間も「下位大学の学生は無能!上位大学の学生は有能!」なんて極論を持っている訳ではありません。ただ、上位大学の学生の方が優秀な可能性は高いのです。

学歴は勉強(努力)の証です。上位大学の方が学問のレベルは高い。横の繋がりがあるから仕事もしやすい。

「1人の上位大学生」と「1人の下位大学生」でどちらが優秀かは断言できません。

しかし、「100人の上位大学生」と「100人の下位大学生」ならば、上位大学のグループの方が優秀な人間の数は多いのです。

下位大学が無理な訳ではない

とは言え、下位大学の学生でも学歴フィルターがある企業に入社することは可能です。

多くの企業は、2つの共通する思惑を持っています。

  • 優秀な学生が欲しい
  • 多様な学生が欲しい

そう、企業は「多様な学生」が欲しいです。

全体の方針としては上位大学の学生が欲しい。だけど、同じような学生で固めてしまうのも良くない。そこで、企業は下位大学からも少数の学生を採用します。

そのため、学歴フィルターは「上位大学は自動的に内定。下位大学は無内定のシステム」ではなく、「上位大学は枠が広く、下位大学は枠が狭くなるシステム」だと認識してください。

具体的な大学のランク分け

企業や地域にも依るので一概には言えませんが、基本は以下の形。偏差値と比例すると考えて差し支えありません。

【大学名によるランク分けの一例】

A:上位国立大学 早慶 +同レベル大学

B:下位国立大学 MARCH 関関同立 +同レベル大学

C:日東駒専 産近甲龍 +同レベル大学

D:その他

便宜上、A〜Dの4段階に分けましたが、「Aしか採らない」なんて企業は非常に稀です。一部の外資系企業のみ。

いわゆる「一般的な大手企業」ならば、

  • B以上から優先的に採りたい
  • C以上から優先的に採りたい

みたいな思惑が多い。

学歴フィルターは本当に存在するのか

学歴フィルター 証拠

さて、ここまでは「学歴フィルターは存在する」を前提に話を進めてきましたが、こういう話をすると、

「学歴フィルターが存在する証拠でもあるんですか!?」

と詰め寄ってくる人も多い。

いや、確かにその通りです。学歴による採用を決定付ける内部資料が流出したらコンプライアンスどうなってんだって話ですし、私は確固たる証拠を提示できません。

ただ、学生の目に留まる範囲にも、学歴フィルターの欠片は存在します。

  • 就職四季報の採用実績校
  • HR総研の企業調査
  • 大学生の摘発

1つずつ見ていきましょう。

就職四季報の採用実績校から

就活生の定番本の1つが「就職四季報」です。

「就職四季報」には、各企業の、

  • 採用数
  • 3年後離職率
  • 有給消化平均数
  • 平均年収
  • 採用実績校

などの情報が記されています。

学歴フィルター 三菱東京UFJ銀行
就職四季報2018年版 P246

今回、チェックしたいのは「採用実績校」です。

例えば、人気企業ランキングでは常に上位の「トヨタ自動車」を見てみましょう。

トヨタ自動車 学歴
就職四季報2018年版 P316

【17年4月入社の採用実績校】

北大 東北大 東大 一橋大 東京外大 名大 京大 阪大 大阪市大 神戸大 九大 早大 慶大 同大 関西学大 立命館大 明大 上智大 中大 青学大 愛知大 他

計80校

全ての大学が掲載されている訳ではありませんが、採用大学の中心が「上位国立」と「MARCH関関同立以上」に偏っていることが見てとれます。

他業種で言えば、総合商社トップの「三菱商事」

三菱商事 学歴フィルター
就職四季報2018年版 P182

【2017年4月入社 採用実績校】

[文系]
慶大 早大 東大 一橋大 京大 阪大 東京外大 東北大 立教大 滋賀大 横国大 九大 高知大 ICU 上智大 神戸大 成蹊大 大阪市立大 中大 関西学大 関大 同大 北大 名大 明大 ブラウン大 他

[理系]
慶大 東大 名大 京大 上智大 早大 ケンブリッジ大 ノースイースタン大 他

損保系人気トップの「東京海上日動火災保険」

東京海上日動保険 学歴フィルター
就職四季報2018年版 P242

【2017年4月入社 採用実績校】

北大 小樽商大 東北大 筑波大 東大 一橋大 東工大 横国大 横浜市大 慶大 早大 上智大 ICU 立教大 明大 中大 法政大 学習院大 成蹊大 名大 南山大 京大 阪大 神戸大 関大 関西学大 同大 立命館大 広島大 九大 西南大 他

「全ての採用校」と「各校からの採用人数」が明記されていないので決定的な証拠にはなりませんが、全体の方向性は明らかです。

企業調査から

「ターゲット校」という言葉があります。

【ターゲット校とは】

企業側が「積極的に採用したい」と考える大学群のこと。

採用活動を始まる前にターゲット校が選定され、

  • ターゲット校での説明会実施
  • ターゲット校対象のインターン

などが実施される。

足切りを意味する「学歴フィルター」とは違い、対象校を優遇する「ターゲット校」は表に出てきやすい言葉です。

とは言え、わざわざ下位大学をターゲット校に指定する企業なんて存在しません。わざわざ優遇をするのならば「○○のライン以上」というターゲット指定だと考えるのが自然。

つまり「ターゲット校」と「学歴フィルター」は、ほぼ同義語と考えられます。

では、HR総研が発表している「新卒採用動向調査」を見てみましょう。簡単に言えば「企業へのアンケート調査」です。

【問】ターゲット校採用を実施しているか

ターゲット校採用 割合
出典:HR Pro

全体で見れば「39%」ですが、従業員301名以上の大企業では「50%以上」がターゲット校採用を実施しています。

加えて、二択にも関わらず存在する謎の「その他」や、シラッと嘘を付いていることを考えると、大企業においては70%以上がターゲット校(学歴フィルター)を実施していると考えられます。

大学生の摘発

毎年、就活の時期になると、

「やっべ…これ学歴フィルターじゃん…」

みたいな投稿がツイッターや2chに溢れ出します。

例えば「説明会の予約」

説明会はリクナビなどの就活サイトで予約しますが、登録の際に指定した大学によって説明会の席数が変わるのです。

説明会 学歴フィルター

上記は「大和総研グループ」という大手コンサンルティング企業の説明会日程表です。

左の上位大学の学生は空席だらけ、右の下位大学の学生は満席で赤表示であることが伺えます。

こういった投稿はいくらでも存在するので、興味があるなら検索してみてください。

学歴フィルターは存在する

  • 就職四季報の採用実績校
  • HR総研の企業調査
  • 学生の摘発

1つ1つは確固たる証拠にならずとも、3つの要素を揃えた上で学歴フィルターの存在を疑うのは無理があります。

学歴フィルターを否定したい気持ちも分かりますが、現代の就活において学歴フィルターを無視することは出来ません。

学歴フィルターを認識した上で、さらにその上を行く就活が重要になります。

学歴フィルターの使われ方

学歴フィルター どういう風に

「いっつも最終面接で落とされるんです…やっぱり学歴って大切なんですね…。」

そんな話をする学生は毎年いますが、それ、学歴はほとんど関係ありません。

繰り返しになりますが、企業にとっての学歴フィルターは採用の効率化なのです。効率化を目指しているのに、面接で1人1人見ては意味がない。

面接まで通ったなら、後は自分の実力次第だと考えてください。

学歴フィルターが使われるシチュエーションは主に3つ。

  • 説明会の人数制限
  • 適性検査(筆記試験)
  • エントリーシート

全てを使う訳ではなく、「どれか1つを使う」と認識してください。

それでは、1つずつ解説します。

説明会の人数制限

最近の学歴フィルターのトレンドは「説明会の人数制限」です。

例えば、100人規模の説明会を実施する場合、

【上位大学】
80人以上

【下位大学】
20人まで

の様に、上位大学の学生が優先的に参加できるように設定する訳です。

上位大学生だけで埋まればそれで終わり、枠が空いてれば下位大学生も参加することが出来ます。

適性検査(筆記試験)

面接の前の適性検査で学歴フィルターを使用する場合もあります。

【上位大学】
100点満点中50点で通過

【下位大学】
100点満点中80点で通過

厳密に言えば、適性検査の結果は点数表示ではない場合もありますが、イメージとして捉えてください。

エントリーシート

昔からよくあるのが、このタイプ。

「下位大学生のエントリーシートは読まずに捨てる」です。

エントリーシートがデジタル化されてから、この方法は非常にやりやすくなってしまいました。目視する必要すらありません。

自動的に大学名によってフォルダ分けできる訳ですから、リクナビの罪は重い。

無名大学の学生が優良企業に就職するために

Fラン 就活成功

ここからは多くの大学生が気になっているポイント。

「無名大学から優良企業に行くためには、どうすれば良いんだよ!」

というお話です。

ただ、勘違いしないでください、解説する方法は、「学歴フィルターを突破して、自分を見てもらう方法」です。内定を取る方法ではありません。

つまり、学歴フィルターを突破した先の、あなた自身が無能ならば普通に落ちます。

以上を前提に、いくつかの方法を紹介します。

  • 【突破】普通に受ける
  • 【突破】インターンに参加する
  • 【突破】上位大学のコミュニティ
  • 【突破】理系は推薦を狙う
  • 【見極め】学内説明会企業を狙う
  • 【見極め】OBの就職先を狙う
  • 【見極め】グループ会社を狙う
  • 【見極め】地方公務員を狙う

それでは1つずつ見ていきましょう。

【突破】
→学歴フィルターを使用している優良企業を突破する方法

【見極め】
→学歴フィルターを使用していない優良企業を見極める方法

【突破】普通に受ける

前提として、「普通に受ける」を忘れてはいけません。

問答無用で足切りするタイプの学歴フィルターはどうしようもありませんが、説明会の人数制限は粘れば参加できるし、筆記試験は高得点を取れば良い。

どれだけ枠が狭かろうが、受けなければ内定を得られることもないのです。

【突破】インターンに参加

現実的な方法としては「インターンに参加」が定番です。

【インターンとは】

本来の意味は「職業体験」を指す。

ただ、現代日本の新卒就活においては「新卒就活の土台」としての側面が強く、

  • インターンで結果を出せば内々定
  • インターン参加者のみの説明会

などの優遇措置を用意している企業も多い。

インターンへの参加にも選考は存在しますが、本番の選考とは違い、学歴フィルターを使用しない企業が多い。

そのため、下位大学の学生は「就活本番が始まる前に、志望企業のインターンに参加」を心がけておくと、志望企業の学歴フィルターを突破できる可能性が高まります。

【突破】上位大学のコミュニティに混ざる

結果的に、労せずして優良企業に就職する学生はたくさんいます。

  • 上位大学の有名ゼミ所属
  • 部活動で結果を出している
  • インターン参加で定期的に懇親会参加

紛らわしい言い方になりますが、これらの学生は、学生自身が内定の力を持っている訳ではありません。

学生に声をかける企業側の人物が存在するのです。この人物は、独断で学生を内定、或いは内定に近いところまで押し上げる力を持っている。

という訳で、紹介してもらいましょう。

あなたが優秀な人間ならば、会ってから何とでも出来るはずです。

【突破】理系は推薦を狙う

理系の推薦枠は、学生が考えているよりも多い。

普通に受ける前に、自分が所属する大学、学部の推薦枠は必ずチェックしてください。

【見極め】学内説明会企業を狙う

学内説明会を実施している企業は、あなたの大学をターゲット校に設定しています。

「優良企業への内定」を再優先するのであれば、学内説明会を行っている企業から志望先を選ぶのが鉄板です。

【見極め】OBが就職した企業を狙う

卒業生の就職先はキャリアセンターで確認できます。

卒業生が就職できたのであれば、あなたの大学に学歴フィルターはかかっていない可能性が高い。

「卒業生の就職先から志望企業を選ぶ」も失敗しない就活の基本です。

【見極め】グループ会社を狙う

大手企業の本体よりも、グループ会社の方が学歴フィルターは緩い可能性が高い。

本体よりも待遇は下がりますが、そこらの中小よりは遥かに良い待遇を受けられます。

【見極め】地方公務員を狙う

地方公務員の待遇は、いつでも「中の上〜上の下」です。

日本を代表する大手優良企業の待遇には勝てませんが、学歴フィルターが存在しない企業(団体)の中ではトップクラスの待遇です。

まとめ

新卒就活において、学歴フィルターは間違いなく存在します。

ただし、よほどの難関企業でない限りは「下位大学おことわり!」ではなく「上位大学の枠は広く、下位大学の枠は狭く」なシステムです。

必要以上に悲観せず、しっかりと対策を練って就活に挑んでください。

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