広告

なぜ就活サイトはキャリアセンターを「役に立たない」と批判するのか

大学生 就活

学生からの質問

以前、こんな記事を書きました。

「就活のために何をすれば良いか」って質問の答えは大抵「キャリアセンターに行ってこい」だって話

この記事に限らず、私は質問をくれる学生に時折「キャリアセンター(大学の就職課)に聞きに行け」とアドバイスすることがあります。

理由は非常にシンプル。学生の個性が分からないと具体的なアドバイスが出来ないからです。

仮に、面接に『ベストな話の長さ』があるとすれば、「よく喋る学生」と「口数が少ない学生」とではアドバイスが真逆になります。就活本や就活サイトが「自分の意見は長くなっても良いからしっかり伝えよう」とアドバイスしても前者の学生には逆効果になってしまうのです。

よって、本気でアドバイスを求めるなら、就活本や就活サイトなどの「大衆向けのアドバイス」より、キャリアセンターのスタッフの「あなただけに向けたアドバイス」の方がよっぽど役に立ちます。

 

それを踏まえて、先日こんな質問が届きました。

はじめまして。
関東の大学に通う3年生です。いつも楽しく拝見しています。

今回は、就活について質問があります。

運営者様は、「就活で分からないことがあるならキャリアセンターに聞きに行けば良い」と仰っていますが、私の大学のキャリアセンターはあまり評判がよくありません。
先日見ていた他の就活サイトでも「キャリアセンターは就活を経験していない大学職員が運営しているからアテにしない方が良い」と記載してあり、キャリアセンターに行くのをためらってしまいます。

以上の理由でキャリアセンターではなく運営者様に質問させて頂きます。

(以下質問)

注目したいのは、就活サイトのこの主張。

  • キャリアセンターはアテにしない方が良い

これは本当に多い。

「就活を経験していない大学の職員で運営されているから」とか

「1人1人までサポートが行き届かない」とか

「基本的に職員のやる気がない」とか

理由は様々ですが、キャリアセンターを批難する就活サイトは本当に多い。

でも、それは本当の意味で批難している訳ではなくて、単に自社のサービスを使って欲しいだけなんです。

そこを勘違いしてはいけません。

キャリアセンターのすすめ

確かに、一昔前までは「やる気のないキャリアセンター(就職課)」は多かった。

就職できるのが当たり前で、キャリアセンターの仕事が多くなかったときはやる気を出す必要がなかったのです。

しかし、今は違います。

学生の就活はどんどん複雑化し、支援内容もどんどん増えてくる。

就職のために大学に入ってくる学生も多く、就職率を上げて実績を増やさなければ入学者の確保すらままならない。

今、キャリアセンターは本気です。

大手企業の元人事担当者の採用、熱心なセミナー開催、豊富な資料etc

大学側も総力をあげて学生の就活を支援しようとしています。利用しない手はありません。

なぜ就活サイトはキャリアセンターを批難するのか

キャリアセンター

理由は非常にシンプル。キャリアセンターで就活を完結されてしまうと就活サイト(を運営している企業)は儲からないからです。

ここ、勘違いしている学生多いんですが、善意で運営されている就活サイトなんてほとんど存在しません。

大半は「就活塾」や「人材育成企業」などの就活ビジネスで食っている会社が運営しています。そして、それらの就活サイトは無関係なフリをして

「大学生必見!絶対内定獲得セミナー!!」とか

「絶対落ちないエントリーシートはこう書く!今なら無料サンプル配布中!!」とか

自社が開催しているイベントに学生を誘導します。twitterによくある「就活情報2016」とか「面接のコツ」みたいなアカウントもそれが目的です。

いくら大学が力を入れているからと言っても、キャリアセンターだけで就活対策の全てが完結してしまっては就活ビジネスをしている会社は潰れてしまいます。

まとめ

就活サイトがキャリアセンターを否定するのは、本当の意味で勧めないのではなく、自社の利益から遠ざかってしまうからです。

つまり、

Q. エントリーシートはどう書けばよい?

A. 基本はこう。詳細はキャリアセンターで聞いてね。

という答えより、

A. 基本はこう。詳細は僕たちが開催するセミナーに来てね。キャリアセンターはダメだよ!

こうした方が利益が上がるってこと。もちろん、営利企業であれば当然の行動ですし、決して悪いことではありません。自社セミナーで熱心に就活指導をしているのも本当なのですから。

また、就活サイトに限らず、善意で運営されているサービスなんて世の中にはほとんど存在しません。

ウェブサイト、ウェブサービス、アプリ、講演etc

世の中にはタダで利用できるサービスがたくさん存在しますが「なぜこのサービスはタダで利用できるのか」を考えれば意外な事実に気付くかもしれません。

-就活