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「うちの大学は就職率95%以上だし、満足度も80%超えだし、なんだかんだ就活余裕でしょー!」というよくある勘違い

大学 就職率

大学の就職率

「学部全体の就職率は97%!!」

「学生の86%以上が就職先に『満足』『やや満足』と答えています。」

大学の就職率をウリにしている大学はとても多い。本当に多い。

そして、それを見て現役生たちは勘違いします。

「うちの大学めちゃくちゃ優秀じゃん!就活余裕!!」

そんなあなたにお伝えしたい。

実は、大学が発表する「就職率」ってあなたが思っているような数字とはちょっと違うんです。

就職率って何だ

「就職率97%ってことは、学生全員のうち97%は就職できてるんでしょ?余裕じゃん!」

違う。そうじゃない。

就職率って言うのは、

就職率 大学

で計算されます。ここでポイントになるのは「就職希望者数」という言葉。

就職決定者数は事実なのでねじ曲げることは出来ませんが、「就職希望者数」ってとても曖昧な言葉です。進学と就職で直前まで悩んでいた学生はどうなるのか。就職が決まらなくて途中から留学にシフトした学生はどうなるのか。

極端な話、「就職が決まらなかった学生」を「就職を希望していなかった」ことにすれば就職率は劇的に上昇します。

もちろん、不正は行いません。不正は行いませんが、調査のやり方次第では限りなく近いことが出来るのです。

注目すべきは「『就職希望者数』がどうやって決まるのか」です。

就職決定者数の決め方

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本題の「就職希望者数の決め方」を解説する前に、分かりやすい「就職決定者数」の決め方から解説します。

結論から言うと大学側が学生側に行う「就活前のアンケート」と「就活後(卒業前)のアンケート」で決まります。

つまり、自己申告です。

就活前のアンケート

就職率

「アンケート」と言うと気楽ですが、大半の大学では「進路希望の登録」などと題して学生に登録を義務付けしています。(特に罰則はありませんが)

ここでは就活前に関して、

  • 就職希望or進学希望
  • 就職するなら志望業界(志望企業)はどこか

などの項目に回答します。

ここで「就職希望」と回答した学生が「就職決定者数」と「就職希望者数」の"土台"になるのです。

また、このアンケートに回答しなかった学生は母数から削除されます。つまり、この時点で留年が確定している学生や、まともな学生生活を送っていない学生、アンケートの存在を知らない不真面目な学生等は集計に入りません。

就活後のアンケート

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就活後(卒業前)にもアンケートが存在します。こちらも就活前と同じく「進路の登録」などと題して学生に登録は義務付けされています。

ここでは就活に関して、

  • 内定を得たor得られなかった
  • 内定を得たならどこの企業か
  • 内定を得られなかったなら進学or就職浪人(留年)or留学

などの項目に回答します。

ここで「内定を得た」と答えた学生が『就職決定者数』です。

就職決定者数とは

つまり、『就職決定者数』とは、

就活前のアンケートで「就職希望」と答え、且つ、就活後のアンケートで「内定を得た」と答えた学生

と言い換えることが出来ます。

就職希望者数の決め方

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問題はこちらです。

繰り返しになりますが、「就職が決まらなかった学生」を「就職を希望していなかった」ことにすれば就職率は劇的に向上します。

こちらも基本は「就職決定者数」と同じ、就活前と就活後のアンケートで数が決まります。

就活前のアンケート

就職率

ここは「就職決定者数」と同じです。

就活前のアンケートで「就職希望」と答えた学生が対象になります。

ここで大切なのは、就活前のアンケートで「就職希望」と答えた学生が最終的な「就職希望者数」ではないということです。

就活後のアンケート

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繰り返しになりますが、就活後のアンケートでは以下の事項に回答します。

  • 内定を得たor得られなかった
  • 得られなかったなら進学か、留学か、就職留年(浪人)か

「就職希望していたが、内定を得られなかった」とカウントされるのは「内定を得られなかった」且つ「就職浪人(留年)」と答えた学生だけです。

内定を得られなかったから進学を決めた学生や、就活前のアンケートには答えて就活後のアンケートに答えていない学生は除外されます。

内定を得られなかった学生がわざわざアンケートに回答するでしょうか?

就職希望者とは

つまり、『就職希望者数』とは、『就職決定者数』に加え、

就活前のアンケートで「就職希望」と答え、且つ、就活後のアンケートで「内定を得られなかった」「卒業後は就職浪人(留年)」と答えた学生

と言い換えることが出来ます。

結論、就職率とは

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冒頭で紹介したこの計算式は、

就職率 大学

以下のように言い換えることが出来ます。

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つまり、大学側が発表する「就職率」とは見る側が何となく想像するものと違い、非常に限られた中での集計結果になるのです。

どこの大学でも高水準になるのも納得です。

【オマケ】「就活に満足した」という回答

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「学生の86%以上が就職先に『満足』『やや満足』と答えています。」

このデータは「就活後のアンケート」の内容に依るものですが、ここにも1つ問題が。

実は、表面的に「内定先に不満な学生」ってほとんどいないんです。それは、本当の意味で満足じゃなくて、満足だと思い込もうとするということ。

本気で頑張ったのに無理だった。周りからダメな奴だと思われたくない。もう不満を言っても仕方ないetc

理由は様々ですが、大半の学生は事実はどうあれ結果を満足だと思い込みます。そうしないと、4月からの人生が辛すぎる。

 

オマケに、アンケートの内容はこんなものです。

問・内定先には満足していますか?

答・満足・やや満足・やや不満・不満

そりゃ誰でも「やや満足」から左にしか丸つけません。

まとめ

もちろん、今回解説した内容が全てではありませんが、大学が発表する「就職率」には何らかのカラクリがあることが大半です。

「自分の大学は就職率が高いから余裕!」

と考えずに、しっかりと就活対策を行いましょう。

 

大学発表の就職率なんて、どこでも高いものですから。

 

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