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「学生時代にビジネス本を読む意味はあるのか?」という質問から読み解く「学生時代に様々な経験をすること」の意味。

読書 大学生

ビジネス本と学生

こんな質問を頂きました。

はじめまして。いつも楽しく大これの記事を読ませて頂いています。経済系の大学院生です。

(中略)

私はいわゆる「ビジネス本」が好きで、将来役に立つと思い今までに何十冊ものビジネス本を読んできました。

しかし、ふと気がついてみると、恥ずかしいことに本の内容をほとんど覚えていないのです。

覚えていないことをきっかけに冷静に考えてみれば、ビジネス本の内容が役に立つのはかなり先の話ですし、そもそも覚えていなければ何の役にも立ちません。

(中略)

学生時代にビジネス本を読むことに意味はあるのでしょうか?

また、意味がないのであれば、読んでおくべき本を教えて頂けると嬉しいです。

心配しなくても、1度だけ読んだ本の内容なんて覚えていないのが普通です。

しかし、それでも在学中にビジネス本を読んでおくことは、あなたのキャリアに必ずプラスをもたらします。

正しいことでも1度聞いただけでは理解することが出来ません。学生時代にたくさんの「1度目」を経験しておくことで、将来の理解力が大きく上昇するのです。

1度目と2度目では感じ方が違う

例えば、ビジネス本に以下の様な内容が記載されていたとしましょう。

「素振り」ってすごく大切です。

テニスや卓球などのラケット競技や、野球を経験した人には分かるでしょう。

多くのスポーツには基本となる「正しい型」が存在します。しかし、試合中に訪れる様々なシチュエーションで「正しい型」を実践するのはとても難しい。

そのため、最初に「正しい型」を身につけるために、何万回も素振りをするのです。

決してブレないように。

また、調子が悪いときは素振りをすることで「正しい型」に立ち返ることが出来ます。そのため、プロの選手でも調子が悪いときはタイムをかけて素振りをします。基本、すなわち「正しい型」に戻るために。

これはスポーツだけの話ではありません。

日常生活でも、勉学でも、仕事でも、人間関係でも同じ。

基本を怠った先に、上達の道は決して開けません。

素振りから始めるのです。そして、調子が悪いときは素振りに立ち返るのです。

それだけを忘れなければ、あなたは圧倒的なパフォーマンスを発揮することが出来ます。

いつでも。そして、どこでも。

深く理解するのはどんな人か

大学生 ビジネス本

こんなことを言ってしまうと台無しですが、良い話です。おそらく、読者の方の何割かは今後数年忘れないでしょう。

では、どんな人の心に響いたのか。

「素振り」をしてきた人です。

中学高校、或いは大学で素振りを続けてきたからこそ、上記の文章が心に響くのです。

ところが、それらの人々が今までも素振りの大切さを実感し、理解してきたかと言うと、話は別。

「素振りは大切だ」

「基本を忘れるな」

何かを続けてきた人なら指導者に1度は言われたはずです。それなのに、今では忘れてしまっている。

人って、大抵1回目のことは忘れてしまうんです。正しくても、著名人が言っていても、1回目は忘れてしまう。

2回目です。

どこかで1回目を聞いた。或いは体感した。その時は何となく頭の隅に残るだけ。

今度は2回目を聞いた。1回目のことを思い出す。そういえばあの人も同じことを言っていた。あの時、自分は確かに体感した。

そうなったとき、初めて世の中に溢れる「仕事のコツ」や「ライフハック」「名言」などはあなたの力になるのです。

ビジネス本は"1回目"になる

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そういった観点で言うと、学生時代にビジネス本を読んでおくのは「抜群の1回目」です。

社会に出たとき、きっとあなたは様々な体験をします。

自分で仕事のコツを体感することも、上司から熱い指導を受けることもあるでしょう。

それが1回目だと理解はきっと及ばない。

「結論から話せ?何でだよ!起承転結が正しいだろ!!」

「営業は商品を絞れ?何でだよ!品揃えは多い方が良いに決まってるだろ!!」

上司の必死の説明も無駄です。人は、最初に「そんなの間違ってる」と決めつけてしまうと、どれだけ話が正しくても理解できなくなってしまう。

ところが、たくさんのビジネス本を読んでいれば話は別です。

「結論から話せ?そういえばコンサル一年目が学ぶことに同じことが書いてあった気が…」

「営業は商品を絞れ?マーケット感覚を身につけようで著者の人も同じことを言っていたな…」

内容をはっきり覚えていなくても大丈夫。何となく頭の片隅に残っていればそれで良い。

「あれ、これ聞くの2回目だぞ…」

それだけで、あなたの理解力は格段に上昇します。

まとめ

ビジネス本を学生時代に読みあさっても、すぐに役立つことはありません。

だけど「1度目の経験」としては大きな意味があります。

また、この話はビジネス本だけに限りません。

「仕事」ではなく「人生」や「恋愛」「表現力」「人間関係」と言った部分にまで視野を広げると、マンガも、旅行も、勉強も、ゲームも、「1度目の経験」として大きな役割を果たすのです。

「学生時代にいろんなことを経験しておけよ」

多くの大人が同じことを言います。

私も半年ほど前に、違う視点から「学生時代にいろんなことを経験した方が良い」とお伝えしました。

 

「学生時代にいろんなことを経験しておけよ」

あなたがこの言葉を聞くのは何度目でしょうか?

 

そして、今回は、この言葉をどう理解しますか?

 

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